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2019年12月10日 (火)

アカデミー作曲賞の候補からはずれた6作品

今年度のアカデミー作曲賞の候補リスト170タイトルから外された6タイトルが《VARIETY》誌に発表された。ついでにアカデミー賞の選考についておさらいしておこう。

 作曲賞に限らず、候補になるには映画会社が対象期間に上映された作品の中から候補作を提出し、アカデミーの審査を通らなければいけない。例えば、今年のディズニーのFOR YOUR CONSIDERATION(検討のために)リストで『スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け』はこちらのようになっている(上に他に5作品が挙げられてますね)。このように部門ごとに推しが映画会社によって決められている。
 その後、アカデミー会員の中でそれぞれのブランチ(部門)に所属する会員による投票でノミネート作を選ぶ。作曲賞なら作曲家・作詞家・オーケストレイター・アレンジャーなど音楽分野の会員だ。作品賞のみ全会員がノミネート作を選べる。そして、最終投票は全部門について全会員が行う。つまり、専門家ではない人も投票出来る。
 審査基準は毎年見直しが行われ、公表されている。昔はノミネートされた作品でも、現在の基準では不可な場合もある。

 さて、以下の6タイトルが規定違反などで対象外となったり、候補作にならなかった作品。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密:ライアン・ジョンソン監督によるアガサ・クリスティのトリビュート的なミステリー。音楽は従弟のネイサン・ジョンソン。管理上の混乱により、スコアのリストが正確に作成できず、確認も取れなかったので審査できず失格。

アイリッシュマン:マーティン・スコセッシ監督によるドラマ。既製曲が多く、ロビー・ロバートソンによるスコアは数曲だったため。

2人のローマ教皇:THE NATIONALのギタリストでもあるブライス・デスナーによるスコアはABBAとビートルズからの引用が多かったため除外された。規定では作曲家のオリジナル以外の曲の影響が大きいものは不適格。今ならクラシックからの借用が多かった『ライト・スタッフ』は除外されるはず。

名もなき生涯:テレンス・マリック監督のいつもの音楽の使い方で既製曲や複数の作曲家の曲が多く、ジェームズ・ニュートン=ハワードのスコアの割合が少なかった。

キャプテン・マーベル:マーベルの大ヒット作で、ピナー・トプラクによるスコアも好評だったが、提出されなかったため候補にならなかった。事情筋は「ディズニーは『アベンジャーズ:エンドゲーム』に重きを置いているのだろう」と推測している。つまり、票が割れるのを回避したということだろう。実際、上のディズニーのFYCリストにはどの部門にもピックアップされていない。

アド・アストラ:ジェイムズ・グレイ監督による宇宙物。マックス・リヒターが音楽だったが、その後、ローン・バルフェが参加し、クレジットはふたりになった。失格になる可能性が高かったために提出されず。規定では複数の作曲家がメインにクレジットされる場合は、対等の関係で共同で作曲しなければならないが、バルフェは後から加わったため共同作業をしていない。通常なら追加音楽扱い(メインクレジットには入らず、エンドクレジットにADDITIONAL MUSICとして記載される)になるはずだが、量的に多かったためにそれも出来なかったのだろう。

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