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2018年12月27日 (木)

未来の〈サウンド〉が聞こえる

未来の〈サウンド〉が聞こえる
 -電子楽器に夢を託したパイオニアたち-

著:マーク・ブレンド
翻訳:ヲノサトル
刊:アルテスパブリッシング

■AMAZON

 サブタイトルにあるように、1900年代から始まる電子楽器の歴史にまつわる話だが、芸術としての電子音楽ではなく、試行錯誤を経て娯楽としての電子音楽が生まれ、浸透していく歴史を描き出す。史上初めての電子楽器であるテルハーモニウムから始まって、テルミン、オンド・マルトノなどの初期電子楽器、そして、それが海を渡ってハリウッドで使われ、ポップスに与えた影響など。

 最初からしておもしろい。初の電子楽器であるテルハーモニウムは誕生時点から出来て間もない電話回線を使った配信サーヴィスを実際に行っていたという。時に1906年である! マーク・トゥエインが個人客第一号だったというのも興味深い。

 半分以上は新たな楽器を生み出したものの、それをいかに使うか、そして広めるかという努力と挫折。そして、新たな音楽を作りだし、売れずに消えていったミュージシャンたちを描いている。このおかしな音をどうやって世に出し、認知させ、商業的に成功させるかという苦闘だ。中盤以降はまったく名前すら聞いたことのないミュージシャンやバンドがズラズラ並ぶ。もちろん、ビートルズやローリング・ストーンズ、ウェインディ・カーロスといった有名なものも多数。

 個人的に最も興味をひくのはもちろん映画音楽に関連した項目。ミクロス・ローザやバーナード・ハーマンに使われた件。『鳥』の音響効果。『禁断の惑星』のバロン夫妻についてはかなりのページを割いている。ジェリー・ゴールドスミスやギル・メレに言及する個所も。また、著者がイギリス人のため、イギリスについては章を割いてふれている。『ドクター・フー』のメインテーマやバリー・グレイなどだ。残念ながらメインとなるのが60年代までだから、それ以降のアーティストについてはほぼふれられていない。

 とにかく、電子楽器に興味がある、または表紙イラストを見てピンときたら買っても後悔はない。私がそうだったように。
 FBで紹介してくださった大澤徹訓さんに感謝。

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