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2013年8月24日 (土)

スター・トレック:イントゥ・ダークネス

Startrekintodarknessスター・トレック:イントゥ・ダークネス

 アメリカでは大ヒットしたものの、日本では惨敗した前作の続編。そのために配給会社は本社から大ヒット命令が下ったらしく、パブリシティがハンパなく多く、宣伝に力を入れまくった。しかし、アメリカでは前作以下の成績に終わってしまい、複雑な気分だったろう。
 ネタバレなしで書くのが難しい話だが、前作から1年後。前作以上に派手な見せ場満載である。各キャラの見せ場もそれぞれあるし、今回は仲間としての感情が豊か。ラストアクションでの感情の爆発は観ている者の感情も揺さぶる。

 3Dカメラでは撮影されず、後変換での3Dだが、3Dを意識した画面造りがなされており、3Dで観る価値はある。この手の作品は人物と実景以外の大半がCGIで作られているのだから、カメラは関係なく、データ上で3Dに変換できる。『ヒックとドラゴン』などの3Dアニメと同じわけだ。だから、一律に3Dカメラの不使用というだけで判断すべきではない。3Dを意識した画面作りをしているかどうかの方が重要だ。映画を紹介する立場の人はそういうことを伝えるべきだろう。


 以下、ネタバレの上で解説。


 公開前からカンバーバッチ演じる悪役について、アレだろうというファンの憶測をパラマウントは必死になって打ち消し、アレじゃなくてジョン・ハリソンっていうんだと名前までリークした。それがまたアレ説を強固なものにした感があった。アレだと言ってしまうと、新規ファンから嫌われる可能性があったからだろう。

 で、ズバッと言ってしまうと、アレ――カーンであった。但し、『カーンの逆襲』そのもののリメイクではなく、その前編に当たるオリジナルTVシリーズの『宇宙の帝王』とあわせてのリメイクに近い。というのも、『宇宙の帝王』は西暦2267年の出来事であり、今回は西暦2259年なのだ。

 ここで整理しておくが、リブートされたスタトレは時間をさかのぼって巨大な敵(ロミュラン人ネロ)がTVシリーズが始まる前の西暦2233年に出現したことによって、その後の歴史が変わっている。謎の敵に対するためにスターフリートはより軍事的な性格になり、エリート組織というよりも食いぶちを稼ぐために入る者がいるようなちょっとレベルを下げた組織になっている。カークの父が戦死したことで、カークはぐれてエリートコースから外れている。スポックもよりバルカン人的ではなくなっている。もちろんエンタープライズ号による辺境の科学的調査(オリジナルTVシリーズ)も行われていない。
 一方、カーンは20世紀末の人物で冬眠宇宙船で地球を脱出したので、改変とは関係なく存在していた。TVでは2267年にカークたちによって発見され、エンタープライズ号の乗っ取りに失敗し、無人の惑星に追放された。『カーンの逆襲』ではTVシリーズの調査から帰還したカークに復讐をする。今回のカーンはカークではなく、惑星連邦によってTVシリーズよりも早く発見され、利用されているという設定。

 つまり、今回のカーンとオリジナルのカーンはまったくの同一人物なのである。そうであるはずなのになんでこんなに容姿が違うんだろう。当初、ベニチオ・デル=トロにオファーしたらしいが、この時にはリカルド・モンタルバンと同じようなイメージがあったんだろうなぁ。旧スポックが今回のカーンに会ったらわからないだろうなぁ。まあ、これは野暮と言うことで。

 それにしても、『カーンの逆襲』と同じようなシチュエーションを幾つも持ってきて、それを微妙に変えつつ、クライマックスにつなげるというのは、前作にも増してオリジナルへの敬意が感じられる。素晴らしい手腕だった。しかし、そろそろ旧シリーズとは決別して、オリジナルのエピソードで勝負して欲しい。少なくとも、次回スポックを探しに行かずにすんだので、クジラも出てこないだろうし、これで西暦2260年、TVシリーズより早い時期にエンタープライズ号は5年間の惑星探査の旅に出る――すなわち、ようやくTVシリーズのはじまりに立てたわけだ。これから、あのトリブルが大繁殖したり、カークがゴーン人と石を投げ合って戦うのかと思うとワクワクするぞ!>おい

 マイケル・ジアッキーノの音楽はオリジナルTVシリーズのテーマと前作で使われた映画用テーマを使いつつ、内容に合わせてよりシリアスかつパワフルになっている。特にようやく登場するクリンゴン人のシーンではゴールドスミスともホーナーとも違うバーバリックなスコアがインパクト大。サントラは収録時間からすると半分くらいか。エンドクレジットも全部入っておらず、ちょっと食い足りない。ただ、前作と違って中盤がほとんど未収録とか言うことはなく、全体からストーリー順にピックアップされている。

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コメント

やはり「カーンの逆襲」でしたか。本作も前作に続きファンの間ではなかなか評価は高いみたいですね。でも個人的にはどうもJJ版のスタトレって苦手です。確かに派手で面白いんですが、旧作やTNGにあったユーモアーやインテリジェンスな部分がどうも希薄なように感じて。ジアッキーノの音楽がどうだったかもレポートしてくれると嬉しいのですが。

投稿: 通りすがり | 2013年8月26日 (月) 16:06

 今回はかなり感情にウェイトを置いたシナリオになってます。
 ジアッキーノのスコアについて追加しました。

投稿: SOW | 2013年8月26日 (月) 16:43

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受信: 2013年9月 9日 (月) 07:15

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