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2012年6月20日 (水)

リジェクトスコア 10

 2000年代の有名作品その2。

ギャング・オブ・ニューヨーク(2002)
 /エルマー・バーンスティーン→ハワード・ショア

 マーティン・スコセッシ監督が25年以上も前から企画していた映画。ニューヨークのふたつの移民グループの抗争を描く。
 バーンスティーンとは『ケープ・フィアー』で組んでいたスコセッシだが、本作については最適のアプローチについて完全に同意できないまま製作が進んでしまった。映画は予算オーバーし、3時間の長尺になり、公開は1年延びた。その間に2時間40分に編集され、音楽も変更されることになった。各国のフォークソングやU2、ピーター・ガブリエルなどと共に、ハワード・ショアのオリジナル組曲"THE BROOKLYN HEIGHTS"が使用されている。スコセッシは本作以降ショアを起用し続けている(厳密には1985年の『アフター・アワーズ』で一度組んでいる)。
 バーンスティーンのスコアはVARESE SARABANDEがリリースした彼のリジェクトスコア集の中に収録されている。

ハルク(2003)
 /マイケル・ダナ→ダニー・エルフマン

 マーベルコミックスのスーパーヒーロー、ハルクの映画化。アン・リー監督版であって、『アベンジャーズ』につながる『インクレディブル・ハルク』ではない。主演はエリック・バナ、ジェニファー・コネリー。
 ダナは太鼓やアフリカンパーカッション、中東のヴォーカルなどエスニックな要素を多く取り入れたスコアを考えていた。しかし、製作者たちは製作の進む映画を観て、こけるのではないかと不安に駆られていた。そこで、音楽をわかりやすくするという選択をする。エルフマンはヒーロー物には安心のブランドである。エルフマンは女性ヴォーカルとドゥドゥクを加えたスコアを書くことにした。そして、ダナのスコアはまだ録音されていなかったが、用意されていたエスニック楽器を使用し、さらに"MOTHER"のテーマでダナの作曲したモチーフを使用し、クレジットを入れた。

ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003)
 /ベイジル・ポルデュリス→マイケル・ケイメン

 ケヴィン・コスナー監督・主演の西部劇。西部開拓時代の最後の時代を描く。
 コスナーは『ダンス・ウィズ・ウルブズ』で起用したかったが断念したポルデュリスを選んだ。彼の『ロンサム・ダブ』に感銘を受けていたからだ。ポルデュリスは幾つかのテーマを作曲したが、コスナーは満足せず、結局、すべての作曲を終える前に降板させ、ケイメンを選択した。ケイメンはすべて仕上げた後、この年の11月に亡くなっており、本作は完成作品としては遺作となった(この後、作曲途中で亡くなり、関係者が仕上げた"BACK TO GAYA"がある)。

アイ,ロボット(2004)
 /トレヴァー・ジョーンズ→マルコ・ベルトラミ

 アイザック・アジモフの『我はロボット』をなんというか自由自在にいじりまくったSFアクション。監督はアレックス・プロヤス。
 プロヤスとジョーンズは『ダークシティ』でも組んでおり、今回もそのつもりでディスカッションをし、ジョーンズは幾つかのアイディアを書いている。しかし、スケジュールが許さなかった。実際の作曲が始まる頃にはジョーンズは『80デイズ』の仕事をしていたのだ。代わりに選ばれたのはベルトラミとなった。その後、『ノウイング』でも組んでいる。

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