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2012年5月 6日 (日)

TORN MUSIC

TornmusicTorn Music: Rejected Film Scores, a Selected History

著:GREGORY HUBAI
刊:Silman-James Press

■AMAZON

『2001年宇宙の旅』、『キング・コング』、『13ウォリアーズ』、『エクソシスト』、『チャイナタウン』、『タイムライン』、『ロビンとマリアン』、『エアフォース・ワン』、『奇蹟の輝き』、『引き裂かれたカーテン』、『ミッション:インポッシブル』、『トロイ』……

 さて、これらの映画に共通しているのは?

 タイトルは『引き裂かれたカーテン』の原題をもじったものであるのはいうまでもない。サブタイトルにあるように、リジェクトされた映画音楽について解説した書籍。リジェクトとは一旦、ある作曲家が音楽を書いたものの、なんらかの理由でボツになること。この場合、別の作曲家(あるいは同じ作曲家の場合もたまにある)が雇われて書き直すことになる。上に上げた映画はすべて一旦書かれたスコアがボツになって別の作曲家が新たに書き直している。ちなみに、ボツになったスコアが世に出ることは少ないが、例えばジェリー・ゴールドスミスの『エイリアン・ネイション』や『タイムライン』、エルマー・バーンスティーンの『ラストマン・スタンディング』などはリリースされている。

 本書には300タイトル以上の映画を取り上げているといい、例えば以下のようなことが書いてあるらしい。

『プレデター』でアラン・シルヴェストリが現在のスコアを書く前に、元YESのキーボーディストであるパトリック・モラーツがスコアを書いていた。

『カットスロート・アイランド』ではジョン・デブニーの前にデイヴィッド・アーノルドが5分程度書いていた。

『キング・コング』でハワード・ショアからジェイムズ・ニュートン=ハワードに交代した舞台裏。

 序文はクリストファー・ヤング。年代順に作品毎にページを割き、1932年の『猟奇島』から2008年のゲーム『ギアーズ・オブ・ウォー3』まで。出版社のサイトで目次と一部が確認できる→こちら

5月25日追記:アメリカAMAZONから到着。なんだか在庫が少ないようで、なかなか日本AMAZONに来ないようだ。

 一口にリジェクトスコアといっても様々なパターンがある。

1)当初は作曲家Aでアナウンスされていたが、製作が遅れてAのスケジュールがあわなくなり、作曲家Bに変更。この場合はAはまったく、あるいはほとんど仕事をしていない。
2)作曲家Aが進めていたが、途中、あるいは完成後に製作者の考えにあわなかったり、テスト試写の反応が悪かったため、書き直し。
3)上記2のパターンで、作曲家Bに交代。
4)上記2のパターンで、Aに書き直しをさせたかったが、スケジュールがあわずに、Bに交代。
5)作曲家Aのままだが、一部のみボツになり、作曲家Bが追加。
6)作曲家を決める前段階でテストとして発注してみただけ。
7)地域によって製作会社や配給会社が違う場合、編集と音楽が差し替えられてしまう。

 本書ではどのパターンも取り上げられている。さらっと事実だけ書かれているものもあれば、『レジェンド光と闇の伝説』のように2ページにわたって書かれているものもある。出典(DVDのコメンタリー、インタビュー、ウェブ、書籍など)も記載されており、労作だ。

 上で書いた内容について、ひとつだけ紹介。『カットスロート・アイランド』でのアーノルドは6のパターンだったようだ。採用されなかったテーマはその後、『インデペンデンス・デイ』で使われることになった。それはそれでOKか。

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コメント

YouTubeにこの本の公式プロモーション動画がアップされています。

http://www.youtube.com/watch?v=AqLJY1LI-8M

投稿: KOH-ICHI | 2012年5月 8日 (火) 19:39

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