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2012年5月28日 (月)

リジェクトスコア 2

 前回の『パイレーツ・オブ・カリビアン』から続けて、アラン・シルヴェストリが関係した作品を3つ。

Predatormafプレデター(1997)
 /パトリック・モラーツ→アラン・シルヴェストリ

 シュワルツェネッガー主演のSFアクション。シリーズ第1作。
 これはリジェクトと言うよりはテンプトラックにされてしまったという感じだろうか。テンプトラックとは、作曲家に監督や製作者が自分たちのイメージを伝えるために、完成前のフィルムに仮(テンポラリー)につけた音楽のこと。他の映画の音楽だったりクラシックだったり、その選択はまちまち。完成した音楽に影響を与えることも少なくない。
 モラーツはYESやムーディー・ブルースに在籍したキーボーディスト。当時は映画音楽作曲家に転身しようとしており、本作でステップアップしようとしていたが、結局テンプトラックにしかならず、それ以降は映画音楽から身を引いた。
 シルヴェストリの音楽は長らくサントラがリリースされなかったが、二度にわたる限定盤に続いて、通常盤が今年リリースされた。それぞれ内容は少し違うが、現在の物がベストだろう。

プラクティカル・マジック(1998)
 /マイケル・ナイマン→アラン・シルヴェストリ

 サンドラ・ブロックとニコール・キッドマンが魔力を持つ姉妹を演じたサスペンス&ラヴロマンス。
 ナイマンは『ピアノ・レッスン』が有名なミニマルミュージックのアーティスト。監督との音楽的な見解の相違のため、録音までやりながら結果的にリジェクトされてしまった。
 公開当時にリリースされたサントラはコンピレイション盤で、スコアは2曲のみだが、リジェクトされる前に製作されたため、ナイマンのスコア2曲が入っていた。その後、シルヴェストリのスコア2曲に差し替えられたヴァージョンが発売された。ナイマンのスコアはナイマンの映画音楽集"Very Best of Michael Nyman: Film Music 1980-2001"にサントラに収録されたうちの1曲が収録されている。

ミッション:インポッシブル(1996)
 /アラン・シルヴェストリ→ダニー・エルフマン

 有名TVシリーズ『スパイ大作戦』の映画化。このシリーズといえば、TVでラロ・シフリンが作曲したテーマ曲がなくてはならないが、シルヴェストリは主人公イーサン・ハントのために別のテーマを作っていた。それが上手くはまらなかった上に、監督ブライアン・デ・パルマともコミュニケーションが取れていなかった。それで解雇。スコアはいつものシルヴェストリのアクションスコアという感じで、取り立てて特徴があるわけではなかった。
 エルフマンが抜擢されたのはニコール・キッドマンが主演した『誘う女』で起用したので、旦那のトム・クルーズに推薦したから。

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コメント

「プレデター」の主旋律はシルヴェストリ自身の前作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でのテロリストが登場するシーンのメロディーが原型だと思っておりますが、映画の世界観・映像と最高にマッチした傑作で、何度聞いても飽きません。シルヴェストリのアクション・スコアでは個人的に文句なしのNo.1です。 また。「プラクティカル・マジック」のメイン・テーマも「フォレスト・ガンプ」からドラマティックさを除いた(二番だしのような)似通った雰囲気を感じますが、メロディー自体はこちらの方が、気に入っております。

投稿: GOLDDAMIEN | 2012年6月 2日 (土) 14:20

シルベストリがジェリー・ゴールドスミスの代打で担当した『ジャッジ・ドレッド』(‘94)のスコアもなかなか堂に入っていて、個人的には『イレイザー』(‘96)等と共に、シルベストリのアクション・スコアのベスト・パターンとして、気に入っています。『プレデター』はその白眉ですね。逆に『ミッション・インポッシブル』(‘96)の没スコアは単調で、ダニー・エルフマンのスコアで正解だったと思います。

投稿: たかし | 2012年6月 3日 (日) 21:17

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