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2011年11月 2日 (水)

INTRADAのポリシー変更

Youngguns2ヤングガン2(1990)
YOUNG GUNS II

■INTRADA
■@TOWER

 INTRADAが限定盤のポリシーを変更して以来、初めて販売停止になったアルバムが出た。アラン・シルヴェストリの『ヤング・ガン2』だ。11月15日(現地時間)までの取り扱いになる。

 このポリシーは従来までの限定3000枚といった数量を明示しての限定をやめ、売れる間はプレスを繰り返すが、動きがなくなったらプレスを止め、期限を告知して販売停止するというもの。告知することで駆け込み需要が喚起され、在庫が減る効果も見込んでいるのだろう。
 もうひとつのポイントは転売屋の買い占めによって、適正価格で手にできないという事態を生まないことがある。実際、ショップと固定ファン、それに転売屋をあわせると、ほとんど1000枚が1日で売れてしまう。人気のある作品なら3000枚が1日だ。そして、オークションで数倍の価格で転売される(おまけにショップの中には「$150買ったら、プレゼント」などという客引きに使うところさえある)。INTRADAのポリシー変更は転売屋の抑止力としての効果も期待しているのだ。

 売れ行きをグラフで表せば、発売直後が最も山が高く、数日でがくんと落ち、その後は逓減するのはほとんどの商品で同じだろう。テール部分がどれだけ太く長くなるかが分かれ目だ。作品の知名度・人気や作曲家の人気に左右される。『ヤングガン2』の場合、固定ファンのいるシルヴェストリだが、作品の知名度や西部劇という題材のせいであまり売れ行きが芳しくなかったのだろう。スコアのレベルは非常に高いだけに残念だ。

 限定の枚数設定は難しい。消費者側からすれば多い方がよいと考えがちだが、果たしてそうか? たとえ1万枚だったとしても、売れなければ在庫となり、経営を圧迫する。そうなれば価格にも跳ね返る。おまけにこういった契約には期限というものがあるわけで、一定期間が過ぎれば販売権がなくなり、在庫は処分しなければならない。だから、確実に売れそうな枚数を設定するしかない。どんなものでも多めに設定していればどうなるかというと、先頃来年春でアルバム発売から撤退すると表明したFSMのようになる。ここは全体に多めの設定をし、ファンからは良心的と評されたが、3000枚限定だが、1500枚以下しか売れないまま、販売期間が終わり、結局1500枚はプレスすらされなかったアルバムもあった。こともあろうに、あのモーリス・ジャールの『ロイ・ビーン』なのだ。他にもかなり在庫を抱え、倉庫や発送の負担になったため、ショップであるSAEと提携したが、それでも経営はきつかったわけだ。

 それじゃダウンロードにすればいい。在庫も抱えないし、印刷も不要だし、発送作業もない。問題解決だ。
 そうだろうか? 実はダウンロードは資金回収がいつになるかわからないという問題がある。発売すれば確実に数日で1000枚以上の売り上げがあるCDと違って、ダウンロードは短期間に売れるものではない。いつでも買えるなら後回しにするのが人間だ。はっきり言ってサントラレーベルはどこも自転車操業に近いというのが実情だ。じっくり売っている余裕はない。

 同じ轍を踏まないように、そして、これからも良質なサントラをリリースし続けるために、こうしたポリシー変更は他のレーベルでもあり得るだろう。実際、MovieScore Mediaでは初回プレス500枚で場合によっては順次再プレスするという方針に変えている。
 で、今、営業的に一番心配なのはVARESE SARABANDEなんだが……。

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