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2010年12月22日 (水)

キック・アス

Kickass_ver9キック・アス

『スターダスト』でフェアリーテールそのまんまな映画を撮ったマシュー・ヴォーン監督が、今度はスーパーヒーローに憧れてebayで買ったスーツを着て街を徘徊する高校生を主人公にして撮った異色作。ブラッド・ピットが製作に回り、アメコミ大好きなニコラス・ケイジも出演する。ヴィジュアルなどは公式サイトで。
 ハリウッド映画のように言われているが、実際にはハリウッドからは資金調達できず、監督が資金を集めて自分の会社で作ったようなもの。内容にハリウッドのメジャーは難色を示したらしい。まあ、これでヒットするとは思わんだろうね、今のハリウッドじゃ。結果は予想外の大ヒット。続編の企画も動き出しているという。

 東京では現在シネセゾン渋谷でのみ公開(今週末から上映館が増える)。まあ、『スコット・ピルグリムVS.セカイ(仮)』のように署名運動しても公開が決まらないよりはマシだが。そのせいもあって、公開から連日満員のようだ。22日は水曜日だったので、1000円均一。おかげで立ち見まで出た。演劇ならともかく、入れ替え指定席制が定着した昨今、映画で立ち見・通路に座り込みの観客を見たのはずいぶん久しぶりだ。女性客が多かったのも意外。アメコミファン? うーん。

 原作のグラフィックノヴェル(アメコミの中でも書き下ろし単行本として出たストーリー性の高い物はこう呼ばれる)にかなり忠実に映像化してある。主人公を含め、キャラは映画の方がいい。特にヒロインとヒットガール。映画用に脚色した変更個所も納得がいくし、テンポもいい。終盤になって原作とは違う展開があり、そのせいで鑑賞後の印象が正反対になってしまっている。私は映画を観た後、原作を読んだような気分にはなりたくないので、この変更はありだと思う。どっちも好きなんだけどね。それにしても、あの鬱な原作を、よくもここまでアメリカンな明るい話に仕上げたもんだ。まあ、そこに至る過程は壮絶に痛いんだけどね。
 で、この変更のおかげでスーパーヒーローを肯定してしまった。そのため、ヴィランもまた生まれてしまったという点が皮肉でおもしろい。

 というわけで、原作には燃えも萌えもないが、映画にはどっちもてんこ盛り。

 ちなみに劇中、セリフでコミックの『スコット・ピルグリム』について言及あり。女子供の読むものというニュアンスで、アメリカでは同時公開だった同作への対抗意識? 興収ではこっちが余裕で勝利したわけだが、私はどっちも好きよ。

 さて、音楽。これがまたややこしい。既製のロック、ポップスだけでなく、モリコーネの『夕陽のガンマン』などを流したかと思えば、スコアもちゃんとそれっぽく流している。しかも、スコア担当は『スターダスト』で組んだアイラン・エシュケリに加えて、『モンスターVSエイリアン』のヘンリー・ジャックマン、ジョン・マーフィー、ダニー・エルフマン(多分、『バットマン』っぽいスコア担当)が名を連ねている。それにロックテイストを加えているのがマリウス・デヴリーズなのだろう。サントラはコンピ盤が出ているが、スコアも出ている。が、しかし、ダウンロードのみ。おまけにiTunesとAmazonのイギリスストアのみ! アメリカでも買えない! そろそろ国境をなんとかして欲しいものだと本気で思う。

追記:音楽の分担はかなり複雑になっている。単純に割り切れるものではなさそう。エルフマンはヒロイン(主役の彼女ね)の依頼でゴロツキの家にいくところの音楽。ジャックマンはメインテーマの他、スーパーマンっぽい音楽、バットマンっぽい音楽を担当している。最も多いのがデヴリーズ。ロックテイストから愛のテーマっぽいのまで。ラストバトルはキッチンシーンがエシュケリ、ボスとのバトルがデヴリーズのようだ。

キック・アス (ShoPro Books)

著:マーク・ミラー、ジョン・ロミータJr.
訳:光岡三ツ子
刊:小学館集英社プロダクション

■AMAZON

 原作のグラフィックノヴェル。

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