« グラミー賞 | トップページ | かいじゅうたちのいるところ »

2010年2月 2日 (火)

Dr.パルナサスの鏡

Imaginarium_of_doctor_parnassus_verTHE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS

『バンデットQ』からずっと観てきたファンにとって、久しぶりに実にテリー・ギリアムらしい映画。それも『未来世紀ブラジル』と『バロン』で組んだチャールズ・マッケオンが加わっているオリジナルの脚本だというのが大きいだろう。大金を投じた『バロン』での興行的失敗以降、原作つきの映画が続いたせいで独特のセンスが影を潜めてきた一因がオリジナルではないということと無縁ではないだろう。さらにギリアムらしさが発揮されたのが製作時の問題発生。これまでにも予算オーバーで一時停止、主役が腰を痛めて動けない、天災でセット破壊などあったが、今回は主役ヒース・レジャーの急逝というどうしようもない事態が起こってしまった。しかし、それを映画の設定を逆に利用して主役を複数の俳優に演じてもらうという離れ業。製作中断に追いやられたドン・キホーテ映画に出演予定だったジョニー・デップを筆頭にレジャーの友人たち。不運から幸運を導き出すという、まるで自身の映画そのもの。
 さて、感想なんだが……。確かに、久方ぶりに見るギリアムの世界だ。夢と現実の戦いもそうだし、これまでに見せてきた豪華絢爛かつチープで怪しげな異世界も健在。人を食ったような登場人物もそのまま。モンティ・パイソンを思わせるギャグや歌にも不満はない。が、どこかしっくりこないのはこちらの期待が高かったせいだろうか。どこへ転がるかわからない話が、結局どこへ転がったのかわからないせいだろうか。煮え切らない。物足りなさがある。しかし、その過程を見る限り、満足ではある。
 でもね、やっぱり『バンデットQ』のでたらめさと、『未来世紀ブラジル』のブラックさと、『バロン』の高揚感には勝てないのだよ。

THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS

■AMAZON

 サントラ。音楽は監督の前作『タイドランド』で組んだマイケル&ジェフ・ダナの兄弟。

|

« グラミー賞 | トップページ | かいじゅうたちのいるところ »

映画ネタ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73118/47333742

この記事へのトラックバック一覧です: Dr.パルナサスの鏡:

« グラミー賞 | トップページ | かいじゅうたちのいるところ »