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2009年8月 1日 (土)

知ってるようで知らない 映画音楽おもしろ雑学事典

知ってるようで知らない 映画音楽おもしろ雑学事典

 著:大日方 俊子
 刊:ヤマハ・ミュージックメディア

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 久しぶりに映画音楽関係の書籍が出たので紹介。
 映画音楽の歴史を中心に、コラムでエピソードを紹介するスタイル。概観できるという意味ではいいかもしれないが、これまで出ていた書籍より情報量が多いかと言われると、そうではない。正直、初心者にとっても物足りないレベルではないか。
 残念なのはそれだけではない。エリック・ウォルフガング・コーンゴールド、ミクロス・ロジャなどという一般的ではない読み方はともかく、いまだに『オーメン』のメインテーマを「アヴェ・サンターニ」と書いたり、ジョン・ウィリアムズがハーバート・スペンサーにアレンジをさせているなどというオーケストレイションとアレンジの違いが理解できていない書き方をした個所が多く、ざっと読んだだけでも問題点は多い。情報も古かったり不確かだったりする個所も多く、ジェイムズ・ボンドのテーマの作曲者問題ではバリーが裁判に負けたらしいとか、裁判でイヤになったから007を担当しなくなったとか(モンティ・ノーマン作曲で決着しているが、バリーは「あれがノーマンの作品なら2作目で私が起用されたのはどうしてだい?」と語っている。新作を担当しなくなったのは健康問題が大きい)。ベルトラミがゴールドスミスの薫陶を受けたというのも正確ではない(大学の講義を受けただけ)。
 それより、一番問題なのは前提となる「映画音楽(特にスコア)とはどういう物か」という話がないことじゃないか。それを抜きにして個人的な価値観で話されてもなぁ。
 どこが悪いのかというと、ターゲティングだと思う。誰に向けて書いているのかわからない。初心者向けならもっと映画音楽の魅力について語るべきだし、映画音楽ファン向けとすると突っ込んだ情報が少ない。巻末のデータも今はネットで簡単に集まるレベル。おまけに全体の構成もぎこちなくて流れがない。
 プロフィールによれば、作者はテレビプロデューサーからフリーになり、音楽評論、作詞、ライナー・ノート、楽曲解説・新聞・雑誌の音楽コラムなどの執筆やキネマ旬報社の『世界映画作品・記録全集』の音楽監修にも携わったとあり、日本映画音楽協会会長だそうだ。日本映画音楽協会なんてあるのか。知らなかった。

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