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2009年5月 5日 (火)

スター・トレックの音楽4

 ここからの3作は完全な『新スター・トレック』の映画版となり、音楽はすべてジェリー・ゴールドスミス。
 すでにこの世界ではクリンゴンは人類とも和平を結んでおり、エンタープライズのクルーのひとりとしてもクリンゴン人のウォーフが乗り込んでいる。そういうわけで彼がちょっとでも活躍すると、例のテーマが盛大に鳴り響くというシチュエーションギャグのようなことになっている。ゴールドスミスがそれだけあのテーマに愛着があるということか。

St8 8作目『ファースト・コンタクト STAR TREK

 アメリカ公開は1996年11月、日本公開は1997年3月。専業作家2年目。横浜VIVREのHMV、いや、引っ越し直前だから新宿か渋谷か? 同年7月の『インデペンデンスデイ』を横浜HMVで買ったのは覚えているのだが、おかしなことに新しい方が記憶が薄いのだ。買う量が増えたせいか、年のせいか。とにかく、輸入CDを買った。

 ライカーことジョナサン・フレイクスが監督となった。人類が初めてバルカン人と接触を果たし、宇宙に進出するきっかけを作った事件。それを妨害して歴史を変革しようとするボーグ。それを阻止せんと過去に跳ぶエンタープライズの面々の戦いを描く。ピカードとボーグの関係など、TVシリーズを見ていないと理解できないところもあって、一見さんお断りなのは、TVシリーズの映画化につきものの問題でどうしようもないか。それでも冒頭の艦隊戦など映画的な見所も多かった。

 時間的余裕がなかったため、ゴールドスミスの息子ジョエルが数曲を担当した。モチーフなどの素材は共通しているが、『エアフォース・ワン』でジョエル・マクニーリーが共同作曲をした時よりも自由にやらせたようで、比較すればよりソリッドな曲を作っているようだ。全体に敵がボーグということもあって金属的・機械的な音が多い印象。オリジナルのテーマとしては人類がファースト・コンタクトするという、スター・トレック本来の冒険心と共通するモチーフを表す雄大な曲がいい。残念なのはジョエルが作曲したクライマックスのフェニックス号打ち上げのスコアがサントラ未収録なこと。

St9 9作目『スター・トレック 叛乱

 アメリカ公開は1998年12月、日本公開は1999年5月。もはやどこで買ったかわからないが、輸入CD。

 フレイクス監督が続投。不老不死の楽園を巡る陰謀という少々スケール感の乏しい作品。TVサイズといってもいい。楽園を守るためにエンタープライズの面々が命令に背いて戦う。

 音楽はアクションスコアが多く、激しい。しかし、印象に残るのは楽園をイメージしてハープを使った美しいテーマ。コンサートでも演奏され、ゴールドスミスがハーピストに指示をしていたのが記憶に残っている。

St10 10作目『ネメシス S.T.X

 アメリカ公開は2002年12月、日本公開は2003年4月。そろそろAMAZONで買うようになったかもしれない。輸入CD、この後輸入SACDを買い直した。

『エグゼクティブ・デシジョン』のスチュワート・ベアード監督。最近では『007/カジノロワイヤル』の編集をしている。長年の敵ロミュラン内部のクーデターと、エンタープライズの面々との戦い。2でのスポックの死に対応するようにクルーのデータが破壊されるというショッキングな展開もあり、なかなか見せてくれた。しかし、誰か亡くならないと作品の質があがらんのかという気も。

 ゴールドスミスの晩年の作品のひとつで、完全な形としては最後の作品。この後の『タイムライン』は完成はしたもののボツになり、遺作『ルーニー・テューンズ・バック・イン・アクション』は時間的な問題からラスト30分をジョン・デブニーが担当したからだ。最後の数年間はアクションスコアでもまるで70年代に戻ったような隙間のあるオーケストレイションをするようになり、キレ味が増した印象を受ける。これは晩年の境地というべきか。その到達点のひとつが本作だと思う。キーとなる「ブルースカイズ」のメロディを取り込んだエンディングがしみる。

 シリーズを通して、有名オーケストラではなく、LAのミュージシャンによる録音というのも特徴的である。しかし、スター・ウォーズが何度も形を変えてリリースされるのと対照的に、スター・トレックは現在ほとんどが廃盤。パラマウントは昔からサントラリリースに消極的なのだ。インディ・ジョーンズBOXがリリースされたのなんか奇跡的なのだ(だから、あの内容に文句を言ってはいけない)。この記事を書いている間にサントラレーベルLA-LA LANDがパラマウントとの契約を結んだというニュースがあった。なんとか、スター・トレックも長尺盤のリリースを期待したいところだ。

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コメント

スタトレ音楽の思い出と総括、読ませていただきました。今ではNHK-BSでの放送やCSでのほぼレギュラープログラムで各TVシリーズが視ることができますが、少し前までは地上波放送の地域差が障害となりコチラでスタトレが大きく盛り上がるということがありませんでした。ちなみに関東ではDS9、ボイジャーは中途放送でしたね。エンタープライズも埼玉のTVSがシーズン1のみ放送という有様。劇場版映画では苦しくもサブタイトルがメインタイトルなるという珍現象。次の映画「スター・トレック」が本当に新規一転となることを祈念します。ジアッキーノの音楽も新規にふさわしいものとなりますように。

投稿: カッパースミス | 2009年5月 5日 (火) 20:09

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