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2009年5月21日 (木)

スター・トレック

Star_trek_xi_ver18スター・トレック

 往年のSFTVシリーズ『宇宙大作戦』こと『スター・トレック』を、『LOST』や『クローバーフィールド/HAKAISHA』の仕掛け人かつ『M:I:III』の監督JJ・エイブラムズが再構築したSF大作。
 傑作です。スター・トレック史上最高作です。いや、最近見た中でもこのジャンルでは屈指の作品です。驚いた。
 この手のシリーズ第1作だと状況説明とキャラクター紹介に時間を取られすぎて、単に説明してるだけってのが多いが、これはそこが上手かった。オリジナルシリーズのファンならニヤニヤできる小ネタもあれば、知らない観客を置いてけぼりにすることもない。いい塩梅。さらに主人公カークの背負ったものを最初に描くことで、観客の感情をつかむことにも成功している。そして、カークがエンタープライズを見上げる時、映画1作目でドライドックのエンタープライズを見つめるカークとはまた違った目をする。俺はこの船に乗るんだという熱い想いを込めた目だ。

 「ああ、この野郎。うらやましいな、おい」

 そう思ってしまった瞬間、負けた。映画でこんなことを思うのは本当に久しぶりだ。中学生の頃、ドーントレス号やビーグル号に乗って宇宙に行きたいと本気で思っていた俺からすれば、まさにうらやましい。

 無理もあるが、偉い人も言うように無理も通せば道理になるのである(え? 違う?)。勢いでこれだけ魅せたエイブラムズの手腕を褒めておこう。自身はトレッキーどころか、あまり見たことがないと言うが、それがかえって幸いした気もする。やはり、オタクが書いた脚本を、そうじゃない人が監督するのがベストだと思う。隣に座っていた女性ふたりのトレッキーの反応を聞いていると、それが確信に変わった。

 そして音楽。間違いなく、この音楽が映画を一段階引き上げている。少し重いメインテーマはカークの背負ったものを象徴しているだけでなく、アクションメインの映画を引き締めてもいる。そして、音楽の使い方も最近になく思い切った個所がある。オープニングのクライマックスでのほぼ音楽のみのシーン。無音の宇宙空間との対比もあって、音響的にもおもしろかった。効果音だらけで音楽がかき消される映画が多い中で、音楽を大事にして演出されたことに感動した。個人的にこのオープニングでつかみはOK。音響はベン・バート。いい仕事してますな。

 以下、ひょっとしたらネタバレになるかもしれないので、気にする人は読まないが吉。





 本当に再構築である。オープニングで思いっきり過去の世界を崩して新しい世界を始めるという一撃。予感はあったので、別記事のコメント欄に注意をしてくださった方にも問題ないと思うと返答したのだが、実際に目にすると思い切ったことをしたなという思いが強い。しかし、これで次作からオリジナルシリーズに縛られずに新しいスター・トレックを始めることができる。今作からの新しいファンもつくだろう。
 しかし、簡単に再構築というが、旧来のファンを納得させつつ、新たな観客にもわかりやすく、もちろんおもしろく提示するのは並大抵のことではない。『猿の惑星』しかり『地球の静止する日』しかり『隠し砦の三悪人』しかり。若干、反則気味だとは思うのだが、それでもそれをやり遂げたのは凄いことだ。
 さらにあの人の登場。クレジットにはあるのでわかっていたが、ああいう登場とは。しかし、似てると思ってたけど、並ぶとかなり違うよねえ。年のせいもあるけど。

 オープニングで過去を崩したという点を補足すると、オリジナルシリーズではカークは順調にエリートコースを進んで出世している設定。本作では父が死んだために人生が狂っている。

 で、赤色物質って、なに?(^_^;)?

24日追記:今作のエンタープライズのブリッジの広さに違和感を感じたファンも多いだろう。実は従来のエンタープライズ1701-Aの全長は288m、1701-Eは685mに対し、今作では725m! バトルスター・ギャラクティカよりでかく、インペリアル・スターデストロイヤーの半分だそうだ。恐らく、これが最大の過去との違いだろう。しかし、それを地上で造ったというのは……。

スター・トレック

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 ジアッキーノによるサントラ。力作であるのは間違いない。難点を言えば、やはり作曲された100分中収録45分というのは短い。もう15分は欲しかった。それと、やはりラストのアレは収録して欲しかった。WOKと同じなんだけどさ。

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コメント

先ほどレイトショーで鑑賞してきました。素直に面白いと感じられる作品でした。
シリーズを通してスター・トレックをはじめて面白いと思いました。 しかしM・ジアキーノは器用なだけでなく「スピード・レーサー」に続いて見事なリスペクターっぷりを発揮してましたが、新シリーズの続編が順調に発展してくれるのであれば是非ともジェリーの「ヴォイジャー」か「イリヤのテーマ」も甦らせて欲しいものです。
 最後に当サイトの「長寿と繁栄を!」

投稿: GOLDDAMIEN | 2009年5月31日 (日) 02:42

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