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2009年4月30日 (木)

スター・トレックの音楽2

 続いて2作目から4作目までの一続きのシリーズ。

St2 2作目『スター・トレック2 カーンの逆襲

 アメリカ公開は1982年6月、日本公開は1983年2月。私は高校3年。高校のある滋賀県の彦根駅前のレコード店でLPを買った。受験直前になにしてんねん。

 監督は『シャーロック・ホームズの素敵な挑戦』や『タイム・アフター・タイム』などの脚本家・作家でもあるニコラス・メイヤー。1作目の反省をふまえてTVシリーズの1エピソード『宇宙の帝王』の続編という形になった。スポック死亡というショッキングな事件もあり、ファンには受けた作品である。また、今年1月に亡くなったカーン役リカルド・モンタルバンの筋肉美(当時すでに63歳!)も素晴らしかった。惑星の破壊と再生を目的とするジェネシス計画をフルCGIで表現しており、CGIが映画に登場した最初期の作品としても記憶される。

 オープニングはアレクサンダー・カレッジ作曲のTVシリーズのメインテーマ(その冒頭のファンファーレのみ)から始めて、担当作曲家オリジナルのテーマに展開させるという手法になり、この形が定着する。音楽はこれがメジャーデビューとなったジェイムズ・ホーナー。先日、限定盤ながらようやく発売になった『何かが道をやってくる』の前年の作品。その前に担当していた『宇宙の7人』を引きずっているのがすぐにわかる。ということは、つまりゴールドスミスの模倣もあるわけだが……。前作とは打って変わって派手な戦闘シーンが多いため、スコアも派手に鳴り響き、ホーナーのアクションスコアの原点がほぼ出そろっている。それでも、TVシリーズのテーマの後に続くオリジナルのテーマはなかなかスタトレ的で良い。TVシリーズのテーマも実はオープニングとエンディングなどわずかしか使っておらず、ホーナーの意地がうかがいしれる。やはりホーナー初期の代表作だろう。スポックを宇宙葬にする際のアメージング・グレイスはサントラにもないし、クレジットもなかったので詳細不明。
 ちなみにIMDBによると、エンタープライズの乗員としてホーナーがちらっと出ているらしいが、DVDを持っていないので未確認。

St3 3作目『スター・トレック3 ミスター・スポックを探せ!

 アメリカ公開は1984年6月、日本公開は同月末。大学2回生で、その頃よく行っていた大阪・難波の南街シネマ地下1Fにあったタワーレコードで輸入LPを買った。思えば、この頃が一番スリリングだった。通販も知らず、ネットもなく、新作映画や新譜の情報などなかなか手に入らず、暇な時に立ち寄った輸入盤店でいきなり新譜に出くわした時の興奮は今では味わえないものだ。なんせ、情報が入ったら「ネットでポチッとな」なんだから。やはり、感情の激しさと記憶の消えなさは比例する。

 スポックことレナード・ニモイ監督。2作目の直接の続編であり、スポックを助けるために、エンタープライズの面々が船を盗み、最後にはエンタープライズが破壊されるという大事件がある。カークの隠し子発覚や親子愛もあるが、やはり全体に小粒。というか、絵がTVサイズ。

 スコアはジェイムズ・ホーナーの続投となった。前作のテーマを引き続き使用しているが、惑星ジェネシスから俯瞰するシーンで始まるホーナーのオープニングテーマのスローなアレンジは素晴らしい。前作には登場しなかったクリンゴンのテーマもゴールドスミスの影響があるものの、バード・オブ・プレイ(クリンゴンの戦艦)を上手く表現していて文句はない。前作よりもTVシリーズのテーマを多用している。なお、サントラにはLPの他に12インチシングルがついており、LPと同じサイズに3分43秒のメインテーマのアレンジヴァージョンが1曲収録されていた。CDでは最後に収録されているが、目茶苦茶気の抜けたフュージョンである。

St4 4作目『スター・トレック4 故郷への長い道

 アメリカ公開は1986年11月、日本公開は1987年3月。大学4回生、大阪・梅田にある阪急グランドビル30階に当時あったレコードショップ・ダイガで輸入LPを買ったと思う。あるいは、阪急ファイブ(現在のHEP-FIVE)にあった輸入レコードショップだったかも。店名は忘れたが、ここでは『ダーククリスタル』のカットアウト盤を発見して驚喜した記憶もある。カットアウト盤(メーカー側が在庫処分のために一部に切れ込みやパンチ穴を入れて安価に売る。CDでもたまに見かけるがほとんどなくなった)の存在を知ったのも、これを買ったためだった。ジャケットイラストは1作目と同じボブ・ピーク。

 前作から続いてニモイが原案・監督し、脚本にはニコラス・メイヤーも参加している。2作目から続いてきた話がようやく終わる。内容的には独立しているが、3作目で無断でエンタープライズを借用したクルーが地球に戻ってくるのが話の発端なのである。クジラが絶滅している未来の地球から、現代の地球にクジラを誘拐に(^_^;)くる面々。クジラを使ったところがアメリカ人に受けたのか、本国での評判は高かった。

 スコアは『エデンの東』『続・猿の惑星』などの巨匠レナード・ローゼンマン。メインテーマはTVシリーズのテーマから発展させる手法であるが、これまでの現代的なスコアとは打って変わって大時代的な大仰さ。これまでのマーチ風のテーマと打って変わって、ワルツ風で優雅にも聞こえる。これがローゼンマンの持ち味であり、現代にタイムスリップする話なのでそれほど違和感はないと見るべきだろう。しかし、元々幅の広くない作曲スタイルのため、以前の作品(ラルフ・バクシのアニメ版『指輪物語』)のモチーフを引きずって、新味に乏しい。それを補うようにジャズ・フュージョンバンドTHE YELLOW JACKETSとの合作も2曲収録してある。

 ここまでがLP時代。CDプレーヤーを買ったのは、この直後くらいだったか。

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コメント

僕がゴールドスミスやホーナーを知ったのがこのスタートレックシリーズだったので、楽しく読みました。通ってたレコード店が重なるのにもニンマリ!

投稿: トレッカー吉永 | 2009年5月 1日 (金) 18:03

初めまして。
毎回楽しみに読ませて頂いております。
自分もSFブーム同世代なので、ST紹介、とても共感しながら読ませて頂きましたが、ここへきているある程度のマニアの方々には、既にお馴染のストーリーであったとしても、ねたバレするのはいかがなものかと…。
新作やSTCの衛生放送で今後の興味をもたれた新世代のファンの方々もおられるかもしれませんし、これからカーク艦長・スポック達が出逢おうというこれからに、3があるにしてもST2のラストをサラッとかいてしまうのはあまりにも古参の知識披露の傲慢とはおもわれませんでしょうか。
初めてで失礼な事をおかきしましたが、これからの若いSTファンたちに楽しみをのこしてあげて頂きたいと、公の情報を発信しておられる責任を考えて頂くよう願います。

投稿: hirokuma | 2009年5月 9日 (土) 22:07

>大熊博隆さん
 書き込みありがとうございます。
 ご指摘の件ですが、大昔の映画の個人的感想であり、その4の書き込みとも連動しておりますので削除することは考えていません。考えた結果の書き方です。結果よりも原因の方が重要だと思いますし。また、新作から入る人への配慮に関しては問題はないと思いますよ。詳しくは言えませんが。
 それと「古参の知識披露の傲慢」とか、こういう場合は余計な言葉をつけない方がよいと思います。経験上、感情のもつれを発生させる一因になります。

投稿: SOW | 2009年5月 9日 (土) 22:50

>SOW様
ご意見を冷静になって考えてみれば名作の物語というものは、
「STARWARS」でダースベイダーが誰の父親か?
「明日のジョー」の力石の結末も公然の情報でしたね。
「古参の知識披露の傲慢」は少々勢い込みすぎて失礼であったと
反省しております。すみません。
これからも楽しい情報を期待しております。

ところで自分も2は確か当時LPを買って聞きまくってました。
その後「宇宙の七人」「クルール」「エイリアン2」「ウィロー」と
ホーナーにはまりまくってCDを買い直し、
3にいたってはGNP版を入手直後、SILVAの方が一曲多いと知りその為だけに泣く泣く買い直しましたが、それがシングルのアレンジバージョンなんですね。
おまけみたいなのに、複雑な気持ちでありました…(「未知との遭遇」とかもね…)
4に関してはイキがってた思春期の頃はあののんびりした調子が
2・3のシリアスな展開の後、ついていけず、これのみサントラを
買わずじまい。
なにしろホーナーイケイケだった自分は、ベテランローゼンマンの音楽を
受け入れられずその後「ロボコップ2」でも同じ思いをさせられて…。
しかし、大人になって見直すと4は味がありますよね。みんな楽しそうで。
嫌いじゃないです。テンポもいいし。
CDも最近中古で500円位で入手して、やっと棚並びが落ち着きました。
(しかしこの時期のホーナー「地獄の七人」「コマンドー」「48時間」「レッドブル」「パトリオットゲーム」…とノリノリでしたね!
しかし「アポロ13」以降急激に冷め「タイタニック」すら買わなくなったのは聴き手のテンションのみではない気もします)
勿論ゴールドスミスは別格でございます。

投稿: hirokuma | 2009年6月 9日 (火) 15:28

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