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2009年1月 5日 (月)

K-20 怪人二十面相・伝

 友人作家たちがこぞって褒めているので、気にはなっていたが保留していた映画を観に行く。
 原作は劇作家・北村想の『怪人二十面相伝』だが、基本設定だけを使って、中身はかなり変更してある模様。
 第二次大戦を回避したおかげで、財閥解体もなく、華族もそのまま生き残って貧富の差が激しい身分制社会が続いているパラレルワールドの日本という舞台。怪人二十面相と明智小五郎&小林少年の対立に巻き込まれたサーカス団の軽業師が主人公。そこに明智の婚約者の華族のお嬢様と、その財閥が持つニコラ・テスラの装置がからんでくる。
 怪人二十面相や明智の原作ネタはあまり関係なく、それ以上に『カリ城』を筆頭とした古き良き宮崎アニメ活劇の影響がかいま見える――というより、実写でやってしまったという方が正しいか。正直、佐藤嗣麻子監督がこういう映画を撮るとは思っていなかったので驚き。SF好きの山崎貴が特撮と脚本に手を貸しているので、そっちの趣味が加わった可能性もある。特撮については同じROBOT制作の『リターナー』や『三丁目の夕日』で培ったCGI技術も磨きがかかり、不自然さはない。アクション演出もスムーズで、邦画でもこういうキレのいい活劇が撮れるんだというひとつのメルクマールになるだろう。
 俳優では、やっぱり金城は日本語をしゃべるとどうも上手いとは言えないんだよなぁ。いまいち復讐という激しい感情を出し切っていないし、飄々としたキャラが中途半端。対して、中村トオルの明智はなかなかいい。嫌みな感じが出ていて、しかも、コメディ演技もできる。松たか子のお嬢様は最初、お年がお肌に……という感じだったが、本性を出してお転婆姫様になってからは妙に可愛い。単なる美人というだけでなく、気品も表現するには他にいないかも。
 色々と突っ込みどころもあるが、素直に楽しめる活劇ということで、ヒットして欲しい。

K-20 怪人二十面相・伝

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@TOWER

 音楽は『隠し砦の三悪人』やら『三丁目の夕日』の佐藤直紀。ジマーやらどこかで聞いたような音楽が多いのだが、今回も期待どおりに聞いたようなメロディとアレンジのオンパレード。まあ、こういう娯楽作品に相応しいノリは保っていたし、垂れ流しをするという最低なことはなかった。最近のハリウッド・ヒーロー物がリアルになって、音楽も爽快さがなくなって残念という向きには、むしろ歓迎される音楽だろう。
 さて、実際にサントラを聴いてみると、メインテーマのアレンジが愛のテーマにも使われており、統一感という意味でもなかなかよくできている。意味もなくテーマやモチーフが増える傾向がある現在、こういうのは歓迎。映画同様、爽快。

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