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2008年3月13日 (木)

バンテージ・ポイント

Vantage_pointバンテージ・ポイント

 TV出身のピート・トラヴィス監督による初劇場映画。
 スペインで対テロの首脳国会議に出席したアメリカ大統領。TV局やシークレットサーヴィスがそれぞれに緊張している中、いきなり狙撃されて倒れる。それを目撃していたTVディレクター、シークレットサーヴィス、観光客、地元警官、大統領のそれぞれの視点・立場(バンテージ・ポイント)で物語を進める。それぞれの狙撃23分前からの行動を追い、1人が終わると時間を巻き戻して最初から。そして、最後にはテロリストの視点も加えて、事件の全貌が観客にわかるという凝った構成。この構成がこの映画のキモ。実際、ストレートに時系列をつなげると、あまり新しいところのないポリティカルアクション映画なのだ。しかし、こういう見せ方を提案した段階で、作品としての格が上がったといっていい。
 さらにこれだけ複雑なことをしながら上映時間90分という驚異的な短さ。脚本と言うよりも、編集の巧さが光る。その編集はスチュアート・ベアードがメインのようだ。『007/カジノロワイヤル』なんて最近のアクションもあるが、それよりも編集としては『オーメン』『スーパーマン』である。監督としては『エグゼクティヴ・デシジョン』『ネメシスSTX』である。
 俳優では主人公といってもいいシークレットサーヴィス役のデニス・クウェイドの渋い演技。容貌もくたびれたおっさんになってしまったが、役柄にマッチして素晴らしい。シガーニー・ウィーバーは出番は少ないながらも存在感はあった。儲け役は観光客のフォレスト・ウィテイカーと大統領のウィリアム・ハート。
 音楽は38歳の新鋭アトリ・オーヴァーソン。ハンス・ジマー率いるリモート・コントロール所属で、これまでにゲーム音楽の他、ジマー作品の追加音楽を手がけている。本作のスタイルは同じRCのハリー・グレッグソン=ウィリアムズのアクションスコアに近く、ストリングス+打ち込みで、少しノイズの入ったギターが加わる忙しいもの。それに土地柄やテロリストをイメージした中東風旋律が加わる。アクションが始まると、HGWと区別がつかないが、もはやそれは言っても仕方がないことか。最新作はヴィン・ディーゼル主演の"Babylon A.D."。

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コメント

私も初日に観てきました。「ジャッカル」でも登場したリモート・コントロール!狙撃銃や最強の特殊部隊員による襲撃シーン(プシュプシュとサイレンサー銃で倒す格好良さ)など満足しました。しかしストーリーに集中していたせいかスコアは印象に残ったのはありませんでした。 

投稿: GOLDDAMIEN | 2008年3月14日 (金) 00:07

そう、スチュアート・ベアード。映画が終わりクレジットでその名が出たとき「なるほど」と思いました。(追跡者もあったなあ。そーいえば音楽ジェリーさんだったんだなあ)
あとHGWとスティーブ・バーテクがオーケストレーションでクレジットで出てましたよね。違いました?

投稿: RAIHO-SHA | 2008年3月15日 (土) 02:17

>GOLDDAMIENさん
 前半は音楽は雰囲気づけ程度でしたが、後半になるとアクション映画そのものの音楽になって、その割り切り具合がいさぎよかったです。

>RAIHO-SHAさん
 サントラを買っていないし、IMDBにもそこまでのクレジットはなかったので確認できませんが、最近のRCの体制からするといてもおかしくないですね。クレジットの最後にハンス・ジマーへの謝辞がありました。

投稿: SOW | 2008年3月15日 (土) 08:55

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