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2007年12月14日 (金)

アイ・アム・レジェンド

I_am_legendアイ・アム・レジェンド

 リチャード・マシスンのSF/ホラー小説の映画化。過去にも何度となく映画化・TV化されており、最も有名なのはチャールトン・ヘストン主演の『オメガマン』だろう。今回はタイトルも原作どおりになった。
 このポスターはキャンペーン用に世界各国の主要都市を題材にしたもの。日本からは東京と大阪が選ばれている。アメリカ以外の国で2都市が採用されたのは日本だけ。それだけヒットを狙っているのか。アメリカと同日公開(時差の関係で日本の方が早いが)というのもその表れか。それにしても、何か違うような気がするのは俺だけ? ポスターをすべて見るなら、こちらのサイトなどが便利。
 今回の映画化は長年にわたっての紆余曲折があった。リドリー・スコット監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演で動いていたが予算で折り合いがあわずにふたりとも降板。その後、ウィル・スミス主演、マイケル・ベイ監督で動き出したが、それも途中で止まり、ギレルモ・デル・トロ監督の名が上がったこともあった。結局、『コンスタンティン』のフランシス・ローレンス監督になった。
 さて、出来上がった映画。上映時間101分は最近の長くなりすぎの映画の中にあって異色といえる。よかったのは、その点と、廃墟と化したニューヨークの景色か。
 明らかに原作と違う点はいくつかあるが、タイトルの意味合いだ。まあ、それはウィル・スミスになった時点でなんとなくそうなるだろうなと予想したとおりなのだが、ちょっとねえ……。もうちょっと中身をなんとかして欲しかった。それに原作にはふたつ大きなポイントがあった。犬とのふれあいがひとつ。amazonのレビューでもそこを評価する人が多い。もうひとつは多い方が正常であり、マイノリティーは異端という視点だ。たとえ吸血鬼であっても、そっちが多ければ、そっちが正常。こういう視点の変更はSFならでは。しかし、この映画にはどちらもない。犬の方は最初から愛犬だったので、苦労して心を通わせるという描写はない。その後に関してはなかなかいい感じだったので、もったいない。ふたつ目のポイントについてはまったくない。そこがないので、結局この映画は何がしたかったのだという感想にしかならない。ひとりぼっちの寂しさはウィル・スミスが上手く演じていた。昼間に真っ暗な屋内に飛び込んだ時の恐怖演出はよくできていた。しかし、プロットが壊滅的。脚本のアキヴァ・ゴールズマンはSFファンを自称しているが、それで書いた脚本が『アイ、ロボット』?『ロスト・イン・スペース』? 他のは『ポセインドン』? 『ビューティスル・マインド』でアカデミー脚色賞獲ってるけどさ……。他にも突っ込みどころが多いが、根本的な問題の前では小さなことだ。なにかひとつ、「そう来たか!」と思わせる部分がないとリメイクの意味ないだろ。
 音楽は『キング・コング』や『シックス・センス』などのジェイムズ・ニュートン=ハワード。サントラは1月15日に発売されるが、映画を観た限りでは印象に残ることはなかった。雰囲気描写と効果音的な使い方で、アルバムで聴きたくなるようなものではなかった。

12月23日追記:その後の情報で、どうやら『インベージョン』同様、後から大幅な追加撮影&編集が行われたことが判明。基本設定と後半については跡形も残らないほど変更されている可能性がある。ああ、くそう。そっちが見たい!

 ところで、予告編で『スピード・レーサー』が流れたのだが、観客の中でどれくらいの人が『マッハGoGoGo!』だとわかったんだろうか? なぜか高校生が多かったんだが、無理だろうな。

アイ・アム・レジェンド

amazon

 映画に公開にあわせて新訳で原作が刊行された。旧題は『吸血鬼』や『地球最後の男』となっていたが、今回は映画と原題にあわせてある。半世紀以上前に書かれた、しかも、これがSFデビュー作(小説デビューはその前に1冊あった)にもかかわらず、現代に通じるテーマと完成度。マシスンという作家の凄さが味わえる。

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