« 樋口監督最新作 | トップページ | 川井憲次CINEMA SYMPHONY 2007 »

2007年11月 1日 (木)

インベージョン

Invasion_ver3インベージョン

 映画の日なので1000円で観てきた。観客ガラガラなのに、中央にだけ客が集まるというチケットシステムは何とかしろ、立川シネマシティ! おかげで隣のおっさんの口臭が気になって仕方なかったぞ。両側が詰まってたから動けなかったし。
 というわけで、ジャック・フィニイ原作『盗まれた街』の4度目の映画化である。もっとも、他の3つとはまったく違う設定になっている。監督は『ヒトラー~最期の12日間』などのドイツ人監督オリバー・ヒルシュビーゲル。ハリウッド進出第1作――なのだが……。

 以下、ネタバレあり。

 原作や過去の映画化ではインゲン豆の莢のような地球外生命体が、寝ている人間の隣で複製を作って入れ替わるという設定だったが、今作はウィルス様の地球外生命体に感染し、レム睡眠に入ると活動開始して乗っ取るという設定になっている。そのためにオリジナルを処分する必要がなく、感染させるには入れ替わり済みの人間の吐瀉物(T_T)を飲ませて眠らせるだけという手軽さ。『SF/ボディ・スナッチャー』で悲鳴を上げながら迫ってくる偽物がゲロを飛ばしてくると想像ください。ああ、汚い絵だ。
 物語はかなりのハイペースで進んでいくが、徐々に街の様子が変わっていくのはしっかり描かれている。ただ、その恐怖は途中からゾンビ映画のようになってしまい、さらにクライマックスでは大作アクション映画のような展開になってしまう。恐らく監督が描きたかった「人間が欲望や競争心をなくしたら、それは人間なのか」という問いかけは、自分たちが生き延びるために障害を排除しようとするウィルス側の欲望を前に意味をなさなくなっている。まるで『アンドロメダ...』のような展開と、アクションの後のあっけないラストと相まって、なにか違う映画のツギハギを観ているような感じを受けた。
 さて、舞台裏だが、完成した映画の出来にワーナーと製作のジョエル・シルヴァーが気に入らず、ヒルシュビーゲル監督に修正を命じたが、監督は応じなかったという。そこで、シルヴァーは旧知のウォーショウスキー兄弟に脚本のリライトと追加撮影を依頼したが、忙しい兄弟(多分、『マッハGOGOGO!』の準備だ)はリライトのみで、『Vフォー・ヴェンデッタ』で組んだジェームズ・マクティーグ監督に追加撮影を任せて、編集し直したらしい。そう考えると、納得がいく。あのアクションはシルヴァーが好きそうな展開だ。もともとジョエル・シルヴァーとヒルシュビーゲル監督があうとは思えない。こうなると、手を加える前のヴァージョンこそ監督の思想が表に出たものだろうから、そちらを見たいものだ。

|

« 樋口監督最新作 | トップページ | 川井憲次CINEMA SYMPHONY 2007 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73118/16829611

この記事へのトラックバック一覧です: インベージョン:

« 樋口監督最新作 | トップページ | 川井憲次CINEMA SYMPHONY 2007 »