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2007年11月23日 (金)

エイリアン

Alienエイリアン

■INTRADA
■@TOWER

 あまりにも有名な映画だが、実はサントラはきちんとした形でCD化されていなかった。LP音源をCDにしたイギリスのSILVA SCREEN版しか存在しなかったのだ。これは権利関係でそうなったらしい。もちろん音はお世辞にもよいとは言えない。それがついに綺麗な音でCD化。しかも完全版であり、限定ではなく、通常のリリース。素晴らしい! それにしても、どうしてここまで有名な映画のサントラが出なかったのか。映画は20世紀フォックスの製作なのだが、現在の音楽の権利はユニバーサルが保有しているのだ。この辺りの複雑さが影響しているのは間違いない。何はともあれ、28年ぶりに正規リリースされたサントラを喜びたい。

 内容は映画のために本来作曲されたスコアすべてと、監督の指示でやり直したスコアすべてを1枚目に。2枚目にはLPのリマスター、ヴァージョン違いを収録。LPは編集されて2曲が1曲になっていたり、短くされていたりする。曲順もタイトルもかなり違うので、映画を観る前に初めて聴いた時、クライマックスのはずの最後の曲がこんな淡々としていていいのかと不安になったものだ。実際には中盤の艦長がシャフトに入って殺されるシーンで、しかも映画では使用されなかった。リーフレットには曲について使用されたかされなかったか、そして使用された場合はどの部分が使用されたか詳細に書かれている。LPについても編集される前の元曲を明記している。音質は素晴らしい。完全版スコアとして海賊盤CDも出ているが、これはDVDのアイソレーテッドスコアが音源で、あまりクリアな音ではなかった。これで完全だ。
 演奏はナショナル・フィル。現在は消滅しているが、ロンドン在住の一流オケの楽団員がレコーディングのために集められていたオケで、もちろん最高レベルの演奏。映画音楽も数多く演奏していた。音が綺麗になったせいで、細かな音がはっきりと聞き取れる。改めて凄さを認識した。『エイリアン2』でジェイムズ・キャメロンがついこのスコアを流用してしまったのも仕方がない。シンセなどはまったく使用しないでこれだけ妙な音を出し、しかも、音楽としてレベルが高い。翌年には『スター・トレック』を手がけたことを考えると、この頃のゴールドスミスは絶頂期だったのだろう。『猿の惑星』と比肩しうる傑作。

 さて、知っている人は知っているように、この映画は監督リドリー・スコットがゴールドスミスの意図とは違うように音楽を使用したり、ゴールドスミスの過去作『フロイド/隠された欲望』の音楽を流用したり、エンディングにアメリカの現代クラシック作曲家ハワード・ハンソンの交響曲第2番”ロマンティック”を使用したりしたため、ゴールドスミスは激怒したという。音楽的な打ち合わせについて監督があまりにも話をしないので、『レジェンド/光と闇の伝説』の時にそう告げると、今度は頻繁に話をしてくるようになったという。その甲斐あって日本公開されたヴァージョンでは完璧な音楽が入れられていた。しかし、今度はアメリカ公開版で映画会社(当時のユニバーサルの会長)の意向で「もっと若者受けするように」とブライアン・フェリーなどの歌を入れ、タンジェリン・ドリームのスコアに差し替えられてしまったのだが……。監督には抵抗する権限もないので仕方ないとはいえ、怒るよな、普通。

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