――このブログについて――

★主にSF/ファンタジー/アクション/ホラーなどの娯楽映画と、その映画音楽についての情報、感想、紹介をしています。ハリウッド中心で欧州やアジアも少々。
★過去に紹介した限定盤などは売り切れている場合が多々ありますので、ご了承ください。なお、最新限定盤情報についてはメルマガをやっています。よろしければ登録してみてください(個人情報などはこちらにはわかりません)。
「○月の新譜情報」は個人的に興味のあるメジャーレーベルの新譜をピックアップしています。情報が入り次第、追加されますのでたまにチェックし直すといいかも。
★AMAZON、タワーレコード、iTunes、SONY MUSICのリンクについてはアフィリエイトリンクになっています。情報がお役に立てましたら、リンクを通して購入していただけると幸いです。
日本のサントラ専門ショップ。貴重盤あり

|

2019年10月16日 (水)

エアフォース・ワン、リジェクトスコア

Af1  ヴォルフガング・ペーターゼン監督、ハリソン・フォード主演のアクション作は大ヒットしたものの、映画音楽ファンには有名だが、公開直前になって音楽を差し替えするドタバタ劇があった。
 元々、『トイストーリー』などで有名なシンガーソングライターでもあるランディ・ニューマンが担当しており、完成直前まで行った。ハリウッドでは完成後、ないしは完成直前にリサーチの一環として一般人を招いて試写をする。その反応を見て修正(編集を変えたり、再撮影したり)したり、劇場公開からビデオスルーに格下げしたり、逆にヒットを確信して公開規模を拡大したりという判断をするわけだ。
 本作の場合、特に音楽に対する反応が悪かった。アクションの度に笑いが起きたといわれている。プロデューサーの決断で音楽の差し替えが決まり、たまたま空いていたジェリー・ゴールドスミスに決まる。しかし、録音・音楽編集まで考えると作曲にはわずか3週間しかかけられない。通常なら2ヶ月程度はかける仕事だ。
 ちなみに、映画音楽は70年代なら2時間の映画なら60分程度の音楽で充分だったのだが、『スター・ウォーズ』以降、どんどん増え、90分以上(ものによっては編集段階でカットされて本編以上の長さだったり)の音楽が必要となっている。本作では95分程度だ。
 そこでゴールドスミスは若手ジョエル・マクニーリーに手伝ってもらうことにする。マクニーリーはゴールドスミスのスケッチを元に曲数で言うと半分ほど(時間的には1/3以下)担当。1曲のみマクニーリー単独のクレジットあり。こうして完成したのが公開版となった。
 ちなみにスケッチとは曲のおおまかなアイディアや進行などの指示を書いたメモのことで、作曲家によって色々なものがある。ゴールドスミスやジョン・ウィリアムズのスケッチはほぼ曲として完成しているレベルで、それを元にオーケストレイションをする。そのため、オーケストレイターにクリエイティヴな要素はないとして、ジョン・ウィリアムズは自分がプロデュースするアルバムにはオーケストレイターのクレジットを入れていない。

エアフォース・ワン(1997)
AIR FORCE ONE

■VARESE SARABANDE
■TOWER

 出たばかりのジェリー・ゴールドスミスのスコア完全盤2枚組。限定5000セット

 ペーターゼン監督作品は見事なくらい音楽担当がバラバラで、傾向も読み取れない。ドイツ時代の『ネバー・エンディング・ストーリー』と『Uボート』はクラウス・ドルディンガー、ハリウッドに渡って『第五惑星』モーリス・ジャール、、『プラスティック・ナイトメア/仮面の情事』アラン・シルヴェストリ、『ザ・シークレット・サービス』エンニオ・モリコーネ、『アウトブレイク』ジェイムズ・ニュートン=ハワード、本作、『パーフェクト・ストーム』と『トロイ』ジェイムズ・ホーナー、『ポセイドン』クラウス・バデルトである。『トロイ』のみホーナーが二連投しているが、これも元々ガブリエル・ヤーレだったのがリジェクトされての交代だった。
 恐らく、作曲家の選択は監督の人選というより、プロデューサーからの推薦など製作サイドの意向が大きいのではないか。その中で、リジェクトされた本作と『トロイ』は監督本人の希望だったのかもしれない。どちらも監督と作曲家の綿密な打合せがあり、監督は満足していたと言われている。中でもヤーレは監督と数ヶ月に及ぶ打合せと録音で絶賛したのに裏切られたと言わんばかりのコメントと共に、自分のサイトに全曲をアップし、スタジオ側にストップをかけられた(リジェクトされてもスタジオに権利があるため)。

 では、『エアフォース・ワン』劇場公開版は廉価でビデオが出ているので観ているものとして、再構成した2シーンを見比べてみよう。音響をすべて消した上で、音楽を入れ替え、可能な限りSEやセリフを戻すという面倒な作業をしたOtisberg氏に感謝を。

序盤、いよいよテロリストが大統領専用機をハイジャックするシーン。

Randy Newman - Air Force One - Rejected Score - The Hijacking from Otisberg on Vimeo.

クライマックス、大統領とテロリストとの格闘。

Randy Newman - Air Force One (1997) - Unused Score - Get Off My Plane from Otisberg on Vimeo.

 ペーターゼンの言葉「私たちは少し違うもの、もっと斬新なものを得ようとした。結果的に上手く行きませんでした。音楽の品質とは関係ありません。ランディはビジネスで最も偉大な人物の1人であり、非常に才能のある人物です。我々はすべてそれを知っている。しかし、それは私の趣味ではなく、最終的に私はリジェクトの決定をしなければなりませんでした」
 対して、ランディの叔父であるアルフレッド・ニューマンと親交があったジェリー・ゴールドスミスは子供の頃から知っているランディの代わりをしなければならなかったことに複雑な心境だったろう。

 ランディー・ニューマンのスコアをどう感じるかは人によって違うだろう。ただ、個人的にはスコアだけ聴いた段階で、大仰で、キレがなくて、野暮ったいと感じた。あと、テロリストの出自を表すモチーフがあからさまなのと、緊迫したシーンにあっていない。こうして映像と合わせてみるとさらにはっきりするが、音楽を聴かせるためにこの映像では音楽が出張っているが、それにしても主張しすぎだ。さらには少々ミッキーマウジングが過ぎる。ミッキーマウジングとは古いアニメのようにミッキーがアクションする度に音楽がそれに合わせて鳴らすことで、殴るとジャン!転ぶとヒュルン!階段を上るとタタタタタ!という風に音で行動を表現すること。実写でミッキーマウジングをやりすぎると、コメディでもない限り失敗する。それほどあからさまではないとは言え、主役が動くとアクションスコアスタート。隠れるとスコアもストップ。反撃でスコア再スタート。試写で観客が笑ったのはこのせいだろう。ペーターゼンは『トロイ』の時も古いタイプのスコアをヤーレに書かせていたので、そう言う趣味なのかもしれない。個人的には『トロイ』は神話世界・史劇ということもあり、古い感覚でもいいんじゃないかと思ったし、ヤーレのスコアは力作だった。
 ところが、あれだけアクション作品を担当しているハンス・ジマーはランディ版を絶賛して、ゴールドスミス版をけなしている。まあ、ジマーはハリウッドの作曲家がリスペクトするゴールドスミスをハリウッドの象徴として敵視していた節があるので、これもそのひとつかと思う。他にも、多人数で作曲することの是非を問われて、ゴールドスミスもやってるじゃないかと根も葉もないことを発言したり。どこを評価したのか詳しく聞きたいものだ。なお、ジマーはハリウッドに渡った後、ハリウッドのシステムで苦労したので、外国人や若手のためにメディアヴェンチャーズ(現リモートコントロール)を作ったという経緯がある。

| | コメント (0)

2019年10月14日 (月)

シネマコンサート3作品

映画本編を上映しながら、音楽だけ生演奏で贈るシネマコンサートが流行っている。そんな中、80年代のSF3作品が取り上げられた。

ターミネーターLIVE
■2020年2月14日(金) Bunkamuraオーチャードホール 19:00
 2020年2月15日(土) Bunkamuraオーチャードホール 14:00
 2020年2月17日(月) フェスティバルホール 19:00
■演奏:THE TERMINATOR LIVE ENSEMBLE
公式サイト

ブレードランナーLIVE
■2020年4月3日(金) Bunkamuraオーチャードホール 19:00
 2020年4月4日(土) Bunkamuraオーチャードホール 14:00
■演奏:THE BLADE RUNNER LIVE ENSEMBLE
公式サイト

エイリアン2LIVE
■2020年4月18日(土) Bunkamuraオーチャードホール 19:00
■指揮:ピエール・オライリー/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

タミさんとブレランはシンセのみじゃなくて生楽器とシンセのようなので、ブレランのオケ版サントラみたいな感じ?
3作品とも、本日14日正午からプレオーダーのようです。

| | コメント (0)

2019年10月11日 (金)

QUARTETの新譜2019/10/11

ロミオとジュリエット(1968)
ROMEO AND JULIET

■QUARTET
■TOWER

  フランコ・ゼフィレッリ監督によるシェイクスピアの映画化。15歳のオリビア・ハッセーが美しい。
 音楽はニノ・ロータ。セッションマスターが失われているため、従来盤をリマスター。ちなみに映画使用分で欠けているのは12分程度とのこと。

じゃじゃ馬ならし(1967)
THE TAMING OF THE SHREW

■QUARTET
■TOWER

 フランコ・ゼフィレッリ監督によるシェイクスピアの映画化。マイケル・ヨーク、エリザベス・テイラー、リチャード・バートンなど出演。
 音楽はニノ・ロータ。新しく発見された音源からフルスコアを収録。従来盤と同じくモノラルだが、少し長い。さらに2枚目には公開当時ロータがリリースするつもりだった構成で収録(実際にリリースされたのは台詞入りでスコアも短かった)。テイク違いなどの差がある。

| | コメント (0)

BUYSOUNDTRAXの新譜2019/10/11

ゾンビ・ナイト(2013)
ZOMBIE NIGHT


■BSX
■TOWER


『フィースト』シリーズのジョン・ギャラガー監督によるゾンビ物。サバイバルする一家を描く。
 音楽はアラン・ハワース。初リリース。
 限定500枚


ミュータント/人類改造計画(1984)
MUTANT


■BSX
■TOWER


 田舎町に化学薬品の汚染でゾンビ発生というホラー。
 音楽はリチャード・バンド。演奏はナショナル・フィルなんだよなぁ、これ。35周年記念リリース。INTRADA版にボーナスをつけた内容で、リマスター。
 限定500枚

| | コメント (0)

2019年10月10日 (木)

ダウンロードサントラ2019/10/11

JUDY

■ITUNES

 レニー・ゼルウィガーがジュディ・ガーランドに扮する伝記。
 音楽はガブリエル・ヤーレ。先月、ソングアルバムがリリースされていたが、スコア盤もリリース。

 

ジェミニマン
Gemini Man

■AMAZON MP3
■ITUNES

 吸血鬼と戦うわけではなく、ウィル・スミス扮する凄腕暗殺者が自身のクローン暗殺者と戦うアクションSF。タイトルがややこしい。ブラッカイマー製作、アン・リー監督。メアリー・エリザベス・ウィンステッド、クライヴ・オーウェン、ベネディクト・ウォン共演。内容よりも通常24コマ/秒のところ120fpsというHFR(3Dの場合は左右に分けられるので半分の60fps)で観られる環境がないという点にばかり話題が行っているが……。
 音楽はローン・バルフェ。CDは10月18日にLA-LA LANDからリリース予定。内容の差異は不明。

The Addams Family

■AMAZON MP3

 有名コミックの3Dアニメ版。声の出演はオスカー・アイザック、シャーリーズ・セロン、クロエ・グレース・モレッツなど。
 音楽はマイケル&ジェフ・ダナ。

 

John Wick Hex

■AMAZON MP3
■ITUNES

 WINDOWSとMACOS用のアクションゲーム。タイトルどおり、キアヌ・リーヴスの大ヒットシリーズ『ジョン・ウィック』をモチーフにした。
 音楽は『風ノ旅ビト』のオースティン・ウィントリー。

 

 

| | コメント (0)

カプリコン・1、日本での劇場公開版が発売!

カプリコン・1


■AMAZON
■TOWER


2019/12/18発売
 1977年12月10日に日本公開になった『カプリコン・1』だが、イギリス映画と言うこともあって、日本が世界で最も早い公開となった。『スター・ウォーズ』が1年も遅くなったこともあり、当時のSF映画ファンの多くはSWより早くこちらを先に観たかもしれない。中学1年の私も京都東宝公楽に親父につれていってもらった。田舎で情報もほとんどなかったのに、よくこれを選んだものだ。結果は大正解で、以降の人生にかなり大きなインパクトを与えた。最大のものは映画音楽、そして、ジェリー・ゴールドスミスへの傾倒だ。劇場を後にする時、親父と一緒に「ジャーンジャーンジャーンジャジャジャジャジャ」とメインテーマを口ずさんでいたほどのインパクト。これに匹敵する経験をしたのは『コナン・ザ・グレート』くらいである(どっちもアンヴィルがよく響くな)。だから、この熱い想いを本人に伝えたかった。しかし、つたない英語力&本人を目の前にした緊張で、短い時間でそこまで伝えられなかったのが生涯最大の悔いである。ああ、くそう!


 というわけで、今回発売になるBDだ。これまでに何度もソフト化されている。もちろん、アメリカやイギリスでも。しかし、すべて123分だ。だがしかし! 日本公開版は129分だったのだ。LDなどで見返した時、記憶にあったシーンがないと思ったことはあったが、記憶は作られるというのは事実だし、自分でも経験はあるので、またそれかな程度に思っていた。が、ネットの海が広がり、情報が入るようになると、どうやら日本とイギリス公開版は129分で、ソフトではカットされていると言うことがわかってきた。しかし、そのソフトは出ていない。もう観られないのかと諦めていたら、なんと日本公開版のマスターが発見されたと言うではないか! 公式には123分となっているので、この129分版はボーナスディスクとして、あくまでもおまけという形態。しかし、フィルムネガからのHD画質。ただのおまけではない!

| | コメント (0)

2019年10月 9日 (水)

MUSICBOXの新譜2019/10/09

L'AVOCAT(2011)
LE TUEUR(2008)

■MUSICBOX
■TOWER

 セドリック・アンジェ監督、グレゴワール・エッツェ音楽の2作品カップリング。どちらも初リリース。
 限定

はじまりのボーイミーツガール(2016)
LE CŒUR EN BRAILLE
QUE D'AMOUR !(2013)

■MUSICBOX
■TOWER

 フィリップ・ジャコが音楽を担当した2作品カップリング。前者はダウンロードでリリースされたが、デモなど6曲を追加。後者はダウンロードと同じ。
 限定

| | コメント (0)

2019年10月 8日 (火)

INTRADAの新譜2019/10/08

MrblundenThe Amazing Mr. Blunden(1972)


■INTRADA
■TOWER


『キャメロット』や『ゼンダ城の虜』などの俳優として有名なライオネル・ジェフリーズが監督したファミリーファンタジー。
 音楽はエルマー・バーンスティーン。初サントラリリース。

| | コメント (0)

2019年10月 4日 (金)

LA-LA LANDの新譜2019/10/18

LA-LA LANDの限定盤サントラ。直販での受付は10月18日午前4時から。

Minorityマイノリティ・リポート(2002)
MINORITY REPORT

■LA-LA LAND

 フィリップ・K・ディックの短編を元にスピルバーグが映画化したSF。トム・クルーズ、コリン・ファレル、マックス・フォン・シドーなど出演。
 音楽はジョン・ウィリアムズ。従来盤は73分だったが、今回は2枚組でフルスコア103分に加えて、劇中CM曲、別ヴァージョンなどを追加。
 限定3500セット

Geminiman ジェミニマン(2019)
GEMINI MAN

■LA-LA LAND

■AMAZON MP3
■ITUNES

 ブラッカイマー製作、アン・リー監督、ウィル・スミス、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、クライヴ・オーウェン、ベネディクト・ウォンなど出演のSFアクション。最強の暗殺者がクローンで作られた若い頃の自分と戦う。
 音楽はローン・バルフェ。先にダウンロードでリリースされたものと同内容。
 限定3000枚

Invaderインベーダー(1967~1968)
THE INVADERS 

■LA-LA LAND

 クイン・マーティン製作の作品集第2弾。今回はまるまる『インベーダー』で。
 音楽はドミニク・フロンティアなど。15話分のスコアを収録した2枚組。
 限定2000セット

Bridefrankenフランケンシュタインの花嫁(1935)
THE BRIDE OF FRANKENSTEIN 

■LA-LA LAND

 ユニバーサル・ホラーの古典『フランケンシュタイン』の続編。
 音楽はフランツ・ワックスマン。これまでコンピレイションや再録音はあったが、単独サントラは初リリース。フルスコアではないが、別ヴァージョンを含む43分をレストア。
 限定3000枚

| | コメント (0)

«QUARTETの新譜2019/10/01