07/11/2007

ダーククリスタル、CD発売

ダーククリスタル

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 これまでアート本の紹介もしたことがあるが、ファンタジー映画の傑作かつオンリーワンの作品。アメリカで25周年記念DVDがリリースされるのにあわせて、同じジャケットアートでサントラが正規としては初めてCD化された。実は過去にこれもDVDが出た時、音楽だけ聴けるミュージックトラックが収録されており、それと同じ音源と、サントラLPの音源を2枚組にしたCDが出ていた。LPは映画に使われたものを編集して、アルバムとして聞きやすくしてある。残念ながらプロモーション用扱いで、数量限定だったので、限られたショップでしか扱われず、すでに廃盤。しかし、今回はLPと同内容の1枚物とはいえ、通常CDなのでamazonなどでも扱っているし、価格も控えめ。『亡国のイージス』も手がけたトレヴァー・ジョーンズの劇場作品2作目。ロンドン交響楽団による重厚な演奏をじっくりと聴いていただきたい。
 しかし、25周年記念ですか。俺がこれを見たのは高校3年生の2月だったか。大阪梅田のナビオ阪急だったはず。確かに日本公開から24年だ。ロボトロニクスという言葉で宣伝していた。しかし、どこかの新聞が勘違いしていたのを覚えているぞ。「あれはロボットじゃない。人間が入ってるんだ! こうやってるに違いない」とか写真と図解入りで暴露記事。アホか。それとも話題作りのやらせだったのか。今となってはわからない。

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06/26/2007

伊福部昭の芸術9 祭

伊福部昭の芸術9 祭 伊福部昭音楽祭ライヴ

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@TOWER

 つい3ヶ月前に行われた伊福部昭1周忌追悼コンサートを収録した2枚組。完全収録ではないようだ。総監修は伊福部昭の愛弟子でもある和田薫。これは行けなかったので、買わねばなるまい。
 指揮:本名徹次 日本フィルハーモニー交響楽団
 2007年3月4日 サントリーホール
 収録曲は下記のとおり。

 SF交響ファンタジー第1番
 銀嶺の果て
 座頭市物語
 ビルマの竪琴(新編纂)
 「わんぱく王子の大蛇退治」より“アメノウズメの舞”
 オーケストラのための 特撮大行進曲 (新編纂)
 管絃楽のための「日本組曲」
 シンフォニア・タプカーラ

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06/11/2007

映画予告編音楽集

 映画音楽(特にスコア)ファンというのはそれほど多くはないが、さらにピンポイントなのが映画の予告編に使われた音楽のファン。しかし、意外なことに、それも特に映画音楽ファンじゃない方から「~の映画の予告で流れた音楽が欲しい」という問い合わせがくる。それも少なくない。思うに、それだけインパクトのある使い方をされているのだろう。
 映画の予告編に使われる音楽というのは、実際にその映画で使われる音楽ではない場合がほとんどだ。予告編は別の会社が専門的に製作しており、その段階では音楽はまだ完成していないからだ。まれに、先にイメージ音楽を録音する場合もあるが、それはあくまでも少数。だから、別の映画のサントラや既製曲をイメージに合わせて載せるのが一般的。その次に予告編専用のライブラリー音源を使用する場合が多い。
 というわけで、「あ、格好いいな」と思っても、その曲は実際に何だったのかわからない。わかっても、別の映画でサントラに入っている場合はいいが、サントラが出ていない場合もあるし、予告編のためのライブラリーなら一般人には手に入らない。が、中には手に入る時もある。というわけで、予告編関係のアルバムをご紹介。まあ、予告に使われるようなヴォーカル曲にはあまり興味がないので、インストが中心になるが……。
 ついでにiTMSのリンクの張り方がわかったので試しておく。いわずもがなだが、iTMSとはapple社が提供する音楽ダウンロードの世界的最大手。iPodがあると簡単に持ち歩けるが、なくてもCD-Rに焼ける。iTunesがインストールされていればアイコンをクリックすると起動するはず。試聴も出来るので便利ではある。音質は今一歩だが。

EsposthumusUNEARTHED/E.S.POSTHUMUS

CD BABY

 予告編とは本来何の関係もないインディーズのプロジェクトだが、ここから数多くの予告編音楽が生まれた。ティム・バートン版『猿の惑星』に"POMPEII"と"MENOUTHIS" 、『マイノリティー・レポート』に"TIKAL"、『マトリックス・リローデッド』の日本版予告に"EBLA"、『スパイダーマン』に"POMPEII"、『トゥームレイダー2』に"MENOUTHIS"、『XXX』に"HARAPPA"などが使われている。エニグマとかがジャンル的には近いと思う。アルバムタイトルどおりに曲タイトルが遺跡になっているのが面白い。

ArsarcanaTHE SAVAGE TANGUE/ARS ARCANA

CD BABY

 これもインディーズのプロジェクト。『ドゥーム』に"Dryka"、『スカイ・キャプテン』に"Dryka"と"The Rosetta Stone"、『キング・コング』に"The Rosetta Stone"、『宇宙戦争』に"Tyrannos"、『シリアナ』に"Dryka"などが使われている。フルオケ+コーラスで、かなり重厚でゴシック調の音楽。

EpiconEPICON/GLOBUS

CD BABY

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 これは逆パターン。IMMEDIATE MUSIC(間に合わせの音楽)というプロジェクトで、予告編用の音楽を作っていたグループが、それを元にしてオリジナルのアルバムを製作した。だから、どこかで聴いたような曲があるが、そこにヴォーカルが入ったりしているので全体の印象はかなり違っている。ちょっとクラシカルなヴォーカルアルバムとしても聴ける。ちなみに、これまでに『スパイダーマン2』『X-MEN3』『ロード・オブザ・リング』『ダ・ヴィンチ・コード』などの予告編音楽を書いている。ゴシックメタルのTHE GATHERINGの元ヴォーカリストANNEKE VAN GIERSBERGEN嬢や『ナルニア国物語』など映画主題歌にも多数参加しているLISBETH SCOTTなどゲストも豪華。オーケストレイションや指揮などスタッフもハリウッドの一流どころ。オケはノースウェスト・シンフォニア。

ComingsoonCOMING SOON/JOHN BEAL

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@TOWER

 予告編音楽を専門的に作曲してきたJOHN BEALによる予告編音楽集。ジェリー・ゴールドスミスによる『ジャッジ・ドレッド』の予告編音楽など別の作曲家の作品もちゃっかり入ってます(^_^;)

Position1ORCHESTRAL SERIES VOL.1/TOM SALSA

CD BABY
Tom Salta - Position Music - Orchestral Series Vol. 1

 POSITION MUSICというレーベルが製作した映画宣伝用の音源で、ORCHESTRAL SERIESというのが2枚出ている。プロモ扱いと明記されているのだが、堂々と試聴・購入できる。どちらもアクション/アドヴェンチャー/サスペンスというジャンルの予告編などで使われることを想定して、いかにもそれっぽい曲調。オケに打ち込み、コーラスというスタイル。
 VOL.1はWii『レッドスティール』などのゲームで活躍しているトム・サルタ。密度がないので、ちょっとチープな感じもする。

Position2ORCHESTRAL SERIES VOL.2/JAMES DOOLEY

CD BABY
James Dooley - Position Music - Orchestral Series Vol. 2

 VOL.2はハンス・ジマー麾下のRCで『ラスト・サムライ』など追加音楽をよく書いているジェームズ・ドゥーリー。さすがにこちらの方がオケの扱いがこなれている感じ。すでに1曲目の"TRINITY"が『スパイダーマン3』の予告に使われている。こちらはコーラス抜きのヴァージョンとあわせて、パーカッションのみを収録したCDもついてくる。本当に加工しやすい宣伝素材という扱いだ。

 こんな感じで、興味がある方は試聴してみてください。

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05/29/2007

戦士映画音楽傑作選コンサート

Otoko2 夕方に新宿へ向かう。
 開演30分前からカメラマン不詳宮嶋氏によるトーク。その時点でははっきり言って客席はガラガラ。事前の宣伝が不充分で、サントラ関係のショップなどにもチラシがないという状態。この辺りの事情がうかがえるのが、トークの中で触れられたそもそもの企画。呑みながら、戦争で映画音楽でコンサートやりたいねって、結構、突発的な思いつきで企画されたのか。トークの間に席が埋まってくる。それでも7割弱か。
 さて、演目。事前に演奏できない曲があることがありますと断っていた上に、最初のチラシと2回目のチラシに記載されていた演目がかなり違うこともあり、いったい、何が演奏されるのかと期待と不安をもって当日配布の案内に目を通す。以下、当日の演目。

戦争のはらわた、プラトーン、バックドラフト、トラ・トラ・トラ、パットン大戦車軍団、エアフォース・ワン、アポロ13、沈黙の艦隊、決断、皇帝のいない八月、硫黄島からの手紙、鷲は舞い降りた、遠すぎた橋、Uボート、プライベート・ライアン、1941、アンコールはシンドラーのリストで、全17曲1時間40分。腹一杯。

 全体にちょっと低音が大きく響きすぎてシャープさがないのが難点だったが、迫力はあった。ステージが狭いので、この規模ではぎりぎり。指揮者が袖から現れる時に楽団員を避けるように歩かなければいけないとか、鉄琴の位置が観客側で音がはっきり聞こえすぎ。ゴールドスミス3連発はいい。ちゃんと琴も生演奏。ただ、マイクが音を拾いすぎて、これもはっきりと聞こえすぎ。鷲は舞い降りたには感動。Uボートはオリジナルよりパワフル。
 後半の最初になぜか三枝成章が現れて、戦争反対のスピーチをする。ちなみに最初の一言、「日本一客単価の高いコンサートにようこそ」だった。楽譜取り寄せと編曲にかなり金を使ったのだろう。
 チラシが前と違うのは、前のに使った画像にクレームがついたかららしい。さもありなん。

 余談。行く前にmixiで何となく検索してみたら、楽団の方を発見。担当楽器がわかっていたので、あの人かいなと見る。管楽器奏者としてはやり甲斐のある演目が多いが、それはそれで息がつらいだろうな。

 終演後、会場で出会った友人たちと食事に行き、マンゴービールなるものを飲んだりして話す。帰宅は23時半。

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04/15/2007

バーニング

バーニング

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@TOWER

 80年代スプラッターブームの中で生まれた映画では唯一と言っていいほどサントラがCD化されていなかった作品。ようやくCD化。まあ、LPとまったく同じで、曲も増えていなければ、マスタリングなどの情報も一切ないので、LPを持っていると旨みはあまりないが、リック・ウェイクマンの音楽がCDで聴ける。メインテーマだけは結構好きなんだよね。
 70年代末から80年代のホラーの音楽はショック音とノイズがメインで、メロディがはっきりしない今のホラーとは違い、美しくも悲しいメロディが主題となり、その上に不協和音で味つけされたものが多かった。代表的なのがジョン・カーペンターの『ハロウィン』であり、チャールズ・バーンスティーンの『エルム街の悪夢』だが、この『バーニング』もその意味では代表のひとつ。メインテーマのもの悲しさは他の追随を受け付けない。静かなキーボードから次第に展開してプログレになっていくのは圧巻。まあ、前半はウェイクマンのソロアルバムといっても問題のない構成と出来なので、プログレ入門にも最適?
 映画としては『ゾンビ』のトム・サヴィーニによる特殊メイクが相変わらず残酷なまでに凄惨なので、怖いよりも痛い記憶しかない。ちなみにこの映画、後にミラマックスを設立するハーヴェイ・ワインスタインが製作を担当した初の映画。その後、『スクリーム』や『パラサイト』などのホラーや『ロード・オブザ・リング』トリロジーを製作総指揮することになる。

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03/31/2007

GOD OF WAR II

Gow2_2GOD OF WAR II

 全国?万人のクレイトスファンの皆さま――待望の続編です。が、日本版の発売が決まりません。
 ご存じない方――PS2の傑作アクションゲームです。SCEA(ソニーコンピュータエンタテインメントアメリカ)が製作したギリシア神話世界を舞台にしたマッチョハゲ親父が血しぶきまき散らしながら神に挑みます。アメリカでは大ヒット。数々の賞も受賞しています。しかし、日本では本家SCEが発売しないで、ローカライズをカプコンが請け負いました。残虐ゲームに対して腰が引けまくっていますね、SCE。汚いことは余所に回せと言うのでしょうか。そんな状態なので、続編はもっと残虐ですので、ますます難しい。果たして日本版は出るんでしょうか。
 ちなみに前作はハゲでマッチョな主人公クレイトスが戦神アレスに復讐するため、アレスに手を焼くアテナ、ポセイドン、ゼウス、ハデスの力を借りながら、絶対的なパワーを秘めたパンドラの箱を求めるという物語。続編はというと、さらにディープ。ゼウスに力を奪われたガイア、アトラスなどタイタン族が神々に放逐されたクレイトスに力を貸し、時間を操る運命の女神を求める話。さらにスケールアップです。おまけにイアソン、ペルセウス、プロメテウスやイカロスなんかも登場。前作のキャラもちゃんと使って、さらに血みどろな大活劇。唯一の問題は国内発売が不明なこと。そして、次はPS3になるらしいこと。さらに年内にPSPも出るとか。まあ、PS3もPSPもリージョンコードがないので、それはいいんだが。

 以下、ゲーム内のバレあり。

 前作も序盤から巨大ボス登場でプレイヤーの心をわしづかみだったわけだが、今回もいきなりの巨大石像登場。『アルゴ探検隊の大冒険』のタロスを彷彿とさせる石像がもの凄い迫力で襲ってくる。その後はペガサスに乗って空中戦。グリフォンの大群相手に宙を飛び、相手の翼を切り落としては投げ、引きちぎっては投げ。空は真っ赤ですな。ここがカメラワークと大盛り上がりの音楽もあいまって、中毒性のかっこよさ。その他のボス戦も一工夫あって攻略のし甲斐があります。バランスや繰り返して発見するという感覚は『ゼルダの伝説』に近い。惜しむらくはきちんと終わっていた前作と違い、「さあ、これからが本番だ」というところで終わること。次でクレイトスとオリュンポスの決着をつけるのか。

GOD OF WAR II

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 で、なぜかサントラはリリースされてもうすぐ発売。しかし、前作はアメリカのソニーが専門サイトでダウンロード販売していたが、日本からでは購入できない。今作はiTUNESでも販売しているが、これもアメリカのみ。前作のイメージはそのままに、オケ増強などでさらに豪華な音になった。激燃えである。

ゴッド・オブ・ウォー

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 前作は廉価版が出てますので、アクションが好きで、多少の血しぶきと残虐表現がOKな人は是非。これでも何カ所かローカライズで残酷・エロが修正されているんだが、中途半端。しかし、『デッドライジング』と違って、ゲームとして一番の肝は残酷部分ではなく、バランスの良さと、ストレスのないゲームプレイ。ロード時間ほぼなし。最初のロードが多少かかるが、ゲーム中はほぼノーウェイトというのは国産のゲームも見習って欲しい。

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03/17/2007

300

 先週アメリカで封切られ、初週の週末興収が7000万ドルを突破という、誰も予想しなかった記録的な大ヒットをした『300』。IMDBでの評価も高く、今日現在で8.3/10。
 映画は『シン・シティ』の原作者でもあるフランク・ミラー(『ロボコップ2』の原作なども)によるスパルタ王レオニダスを主人公とした史劇。300人対100万人という激燃えのシチュエーションを独特の粗い画質で描く。史劇っつっても元はアメコミ。外連味たっぷりの仕上がりの原作をさらに外連味たっぷりに、というかハッタリをかましまくっているのではないかという気がするのが、サントラを聴いた感想。日本公開は初夏とのこと。

300 限定盤

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@TOWER


300 通常版

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 上2枚がサントラ盤。限定盤はデジパックで15ページのブックレット、カード3枚(両面にメインキャラ)が封入されてあるが、収録曲は同じ。
 音楽担当は同じザック・スナイダー監督と『ドーン・オブ・ザ・デッド』でも組んだタイラー・ベイツ。その合間にはもうすぐ感想を書く予定の『スリザー』を担当している。元々90年代からB級作品を担当していた若手だけに、ハッタリをかますのはお手のもの。『300』ではフルオケにパーカッションを大々的に加え、さらにギター、ベース、キーボード、男女コーラスが参加。音楽的には正統的なオーケストラスコアから民族音楽的な旋律、ロック調のリズムと種々雑多なスコアになっている。パーカッションの多さとロックに近いリズムのせいか、最近の香港・韓国作品における川井憲次作品にも通じるところがある。メインとなるモチーフがほとんどないところなど惜しいが、こういうアプローチもありかと。

300

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 言わずと知れたフランク・ミラーによる原作。

300:THE ART OF THE FILM

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 原作と同じ装丁をした映画のメイキング本。原作のコマと対応するストーリーボードと完成した画を対比しているページが多く、かつてこれほど原作に忠実な映画化はないのではないかと思われる。最大の違いは、原作ではスパルタ兵は全員フリチンであること(^_^;)

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01/31/2007

2001年宇宙の旅

20012001年宇宙の旅

@TOWER

 言わずと知れたスタンリー・クーブリック監督の名作といえば、『ツァラトゥストラはかく語りき』や『美しき青きドナウ』などのクラシックを上手く使った作品としても有名である。が、これはサントラではない。サントラになるはずだったスコアを収録したアルバムだ。
 元々、クーブリックは『スパルタカス』で組んだアレックス・ノースにオリジナル音楽を書いてもらうつもりで、クラシック音楽をテンプトラック(作曲家に監督がイメージする音楽の印象を伝えるために既製曲を映像にあわせてつけたもの)にしていたというのはサントラファンには有名な話。クーブリックは可能な限りテンプトラックに近くという指示をしたようだ。おかげでできあがったこのスコアは元にかなり近い物になっている。しかし、逆にその努力が災いして「それならテンプトラックをそのまま使えばいいや」とばかり、キューブリックはノースに一言の相談もなしにテンプトラックを映画に使用した。それが公開された映画だ。ノースは途中までしか仕事をしなかったことになるのに映画が完成したことをいぶかりつつ、試写で完成直前の映画を観て仰天したという。そりゃそうだろう。
 というわけで、これがその当時、ノースが録音したオリジナルスコア。長年所在がわからなかったが、オリジナルテープが発見され、ついにリリースの運びとなった。
 詳細なライナーノートには当時の様子が記されている。それによると、当初クーブリックはカール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』を流しながらアーサー・C・クラークと一緒に脚本を書いており、当時71歳のオルフに依頼したらしい(ちなみにオルフは1982年に亡くなっている。作風や題材からもっと前の作曲家というイメージがあるが、20世紀の作曲家だ)。もう年だし、そんな仕事はできんと断られると、クラシックにこだわりがあったクーブリックはフランク・コーデルにマーラーの3番を映画用に録音してくれと頼んだらしい。当初からこういう状態だったのだから、ノースに依頼した段階で結果は見えていたということか。このCDを聴いていると、ノースの苦闘の後が偲ばれる。極めつけは楽譜の写真だ。曲名を書いたその下に、「スタンリーはこの曲を嫌っているが、私は好きなんだ!」 実際、ここにあるオリジナル曲を流した『2001年宇宙の旅』を見てみたいものだ。

2001jgALEX NORTH'S 2001

@TOWER

 実はこのスコアには再録音盤もある。当時はまだ上記のオリジナル音源の存在がわからなかったので、ノースの盟友でもあった故ジェリー・ゴールドスミスがナショナル・フィルを指揮して録音したものだ。演奏も音も最高だが、ノースがすでに亡くなっていたために確認が取れず、ノースが担当した別の映画のスコアが混じっていたことが録音後に判明している。このCDでは11曲目で、映画の後半で使われると考えられていた。しかし、実際には後半は作曲自体していなかった。オリジナルが発見されたとはいえ、最新の録音なのでダントツに音がよいので価値が下がるわけではない。なんといっても、ゴールドスミス&ナショナル・フィルだし。

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12/20/2006

007/カジノ・ロワイヤル

 ジェイムズ・ボンド第21作目にして前評判の悪かったダニエル・クレイグの新007デビュー。公開前からすでに次回作の出演が決まっており、製作会社側の自信が見える。しかも、初の連続物――直接の続編になるようだ。原作は短編集の1編。
『カジノ・ロワイヤル』というとバート・バカラックのお洒落な音楽と主題歌がイメージとしてあるわけだが、正当シリーズとして製作された今作は正反対に血なまぐさいバイオレンス作品。しかし、タイトルバックのイメージは過去の作品に雰囲気的に近いお洒落さ。恒例ガンバレルへのつなぎ方も従来にない手法。オープニングだけでも観る価値あり。その後のアクションも切れがよく、中盤までは完璧。しかし、その後、メインのボンドガール登場してからはスローペースになる。これはヒロインでもある彼女とボンドの関係を描くためという意図はわかるのだが、そのせいで上映時間が長くなりすぎた。しかも、最後の方は「まだかよ」というくらいダラダラと進んでいく。だいたい想像がつく展開なだけにもう少しコンパクトにならんかったのか。
 それにしても、製作途中で敵を含めて配役がなかなか決まらずにもたついていたとは思えないほどの完成度である。正直びっくり。

007/カジノ・ロワイヤル

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 サントラだが、主題歌は未収録。クリス・コーネルの意向のようだが、メインメロディはスコア担当のデイヴィッド・アーノルドとの共作なわけで、ちょっと納得できない。4作目の登板になるアーノルドのスコアは原点回帰で、テクノ色を廃した骨太のアクションスコア。ダニエル・クレイグの筋肉に触発されたか? 70分を超えるので、聴く方にも体力が必要。

You Know My Name

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 というわけで、こちらが主題歌のシングル盤。高いぞ。

@TOWER

 と思ったら、こちらは半額だった。それでも高いので、iTUNESでダウンロード購入すれば150円ですみます。

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11/09/2006

ベイジル死去

 昼前に出かけて雑用を住ませて帰宅すると、掲示板に訃報が。自分の中で何かが落ちるのがわかった。
 ベイジル・ポルデュリス(BASIL POLEDOURIS)、ガンと闘いつつ、死去。享年61歳。
 ハリウッドの映画音楽作曲家だが、メジャーな存在ではない。USCでジョン・ミリアスと共に学び、『ビッグ・ウェンズデー』でメジャーデビュー。その後、『青い珊瑚礁』で認められ、一般に知れ渡ったのは何と言っても『コナン・ザ・グレート』だった。ヒロイック・ファンタジーを音で具現化したといってもいい鉈でぶった切るような迫力あるスコアは感動的だった。その後、オランダ時代からポール・ヴァーホーベンと組み、『グレート・ウォリアーズ』や『ロボコップ』なども担当(しかし、ヴァーホーベンは盟友をふたりとも失ったのか)。最近の作品はミシェル・ヨー主演の『レジェンド 三蔵法師の秘宝』とTV作品"The Legend of Butch & Sundance"。代表作は『スターシップ・トゥルーパーズ』になるのか。
 音楽的には骨太のオーケストラ作品だけではなく、シンセのみの作品もあり、大自然や動物物を書かせたら右に出る者はないと思う。『ラッシー』『フリー・ウィリー』などは傑作。青春スポーツ物にも佳作が多く、『ウィンズ』や未公開の"KIMBERLY"など美しいメロディも数多い。極めつけはHIVの青年を描いた『ラスト・パーティ』での自らが弾くピアノのみのスコア。これを聴きながら冥福を祈る。

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11/07/2006

ロード・オブザ・リング/二つの塔 SEE

THE LORD OF THE RINGS:THE TWO TOWERS
THE COMPLETE RECORDINGS

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 11ヶ月待たされて、ようやく2作目の完全版がリリース! 前作同様CD3枚組に全曲集録のDVD-Audio、48ページの解説本をセット。3時間超の収録時間は聴くだけでも一大事業であるが、シリーズ中、最もバラエティ豊かなスコアは非常におもしろい。新しい登場人物が増え、モチーフもそれに比して増え、さらにスコアは複雑に絡み合っている。後半の戦闘シーンのつるべ打ちはシリーズの白眉。確かに映像的には3作目が凄いのだが、絶望的状況下での崇高さのような感じを出すためにスコアは激しさよりも美しさを前面に出している。そのため、最も激しい戦闘シーンのスコアは2作目にある。もっともそれは3枚目。そこに至るまでは三手に分かれた仲間たちそれぞれの旅が音楽で表現される。この多様さがこの2作目最大の魅力だろう。
 DVD-AUDIOは対応プレーヤーがないために聴けないので、DVDプレーヤーで聴くしかないのだが、それではCDとほとんど一緒。まあ、5.1chにはなるが。そろそろSACDとDVD-AUDIOのコンパチプレーヤーが欲しいなぁ。SACDディスクは3枚あるし、DVD-AUDIOもこれで2枚あるわけだし。

 上のリンクはAMAZONと@TOWERだが、輸入盤3点まとめるという条件付ならHMVが最安値(2006/11/07時点)。

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10/13/2006

スペース・バンパイア

Lifeforce_bsxスペース・バンパイア

@TOWER

 この話題に飛びつく人がどれだけいるのかは謎だが、好きな物はしょうがない。紹介するしかない。今日、いきなり発表されたのが、このサントラ。現在は廃盤になっているので、中古で手に入れるしかなかったのだが、それが完全盤としてリリースされる。映画の方はかなり前に2chのスレを見たら、「オパーイオパーイ」とモナーが踊る歓喜のAAとコメントが乱舞していたのが印象的だったので、ファンは確実にいるはず。コリン・ウィルソンのちょっと哲学的なホラーSFを映画化したら、なぜかオパーイとゾンビが画面狭しと暴れ回る映画になってしまった。まさに80年代の徒花的映画。
 さて、この映画を語る時にたいていの人はマチルダ・メイのオパーイと音楽(特にメインテーマのマーチ)を口にします。必ずです。担当はヘンリー・マンシーニ。『ピンクパンサー』やら『ティファニーで朝食を』なんて影も形もありませんが、当人です。ロンドン・シンフォニーでもって豪快に鳴らしまくりますが、当人です。実はデビューしたのはユニバーサル映画の音楽スタッフで、当時全盛期だったホラー映画を多数手がけていたのだった。それを知っていたのか、監督トビー・フーパーが二番目の候補として選択したのだ。ちなみに第一候補は『スター・トレック2:カーンの逆襲』でメジャーデビュー目前のジェームズ・ホーナーだったが、残念ながらスケジュールがあわずに断念し、マンシーニが担当することになった。結果はホーナー以上に派手になった。しかし、映画の編集に時間がかかり、マンシーニはスケジュールの都合で最後まで作業できず、編集で尺が狂った約20分を追加招集されたマイケル・ケイメンが作曲した。(当時は『デッド・ゾーン』でメジャーになったばかりの新人)。その部分はナショナル・フィルが演奏しているのも豪華。
 このサントラはマンシーニとケイメンのスコアをほぼ完全収録した2枚組。さらに従来のサントラも収録し、ボーナスが1曲追加されている。限定3000枚。版元&販売はこちら

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06/27/2006

グロリア

 で、『日本沈没』の試写に並んでいる間に、サントラファンには楽しみなVARESE CD CLUBのニューリリースの発表があった。LA現地時間で26日に発表なので、サマータイムを考慮すると、日本では26日16時である。PCがないので焦ったが、今は携帯がある。PCサイトも見られるので、アクセス。何度かリロードを繰り返して4枚を確認。最大の衝撃はビル・コンティの『グロリア』サントラ初リリース! もちろんジーナ・ローランズの最初の映画だ。限定2000枚なので、ファンはVARESE SARABANDEへ急げ!

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06/13/2006

ハンス・ジマー訴えられる

 ハリウッドの人気映画音楽作曲家ハンス・ジマー(『ライオン・キング』『バックドラフト』etc.)が訴えられた。アカデミーのオリジナル作曲賞にノミネートされた『グラディエーター』でホルストの交響組曲『惑星』で一番有名な火星のモチーフを流用したということで、ホルスト作品を管理するホルスト財団から訴訟を起こされたのだ。サントラ発売時に苦言を呈したが、今になってようやくという感がある。その後、ジマーは『ハンニバル』や『プレッジ』でもクラシックの流用をたびたび行い、何のクレジットもないということがあった。版権が切れているとはいえ、誰が聴いてもあからさまな流用には一言あるべきじゃないのか。それがクリエーターの仁義ってもんじゃないのか。まったく、最近の盗作画家騒動と同じだが、どこからどこまでがオリジナルで、どの一線を越えると借用(パクリ)になるのかというのは微妙なラインではある。しかし、同じモチーフだと10人中8、9人が感じるほどはっきりとしたものはオリジナルとは言えないし、言うべきではないと思う。
 過去にも『スター・ウォーズ(新たなる希望)』の帝国のモチーフが同じ火星に似ているという指摘はあった。しかし、これはダダダダンダンダンというリズムが主で、他の部分はウィリアムズのオリジナルといってもいいし、このレベルであげつらっていては、ほとんどの曲が過去のどれかの曲に似ているということになってしまう。この線引きは聴く者のスタンスの差なのかもしれないが。
 で、それとは別に何が問題だって、こんなスコアをアカデミー賞オリジナル作曲賞にノミネートするような低脳なアカデミー会員である。過去にはチャイコフスキーや今回も問題になった『惑星』をそれこそほとんど同じ形で流用した『ライト・スタッフ』に賞を与えるという愚を犯している(映画とのマッチングは最高だが、それとこれとは問題が別だ)。常々言っていたことだが、会員は専門家ばかりではない。昔は一線級でも引退してろくに映画も観ないし音楽も聴かないような連中も多いと聞く。はっきり言って鑑定眼などない。本当に音楽の効果やオリジナリティで選んでいるのではなく、話題性や珍しさで選んでいるとしか思えない。候補作選定期間に大量に配布されるプロモーション用CDすら聴かずに売り払ったりしている(だからコレクター市場に流出するわけだ)。まあ、アカデミー賞自体が商業主義の権化と化しているわけで、今さらそんなことなど求めてはいけないのかもしれないが、真にハリウッドの、そして映画全体のことを考えるならば、そろそろレベルの向上を考えないといけない時期ではないか。大作映画もリメイクや続編ばかりで観客も辟易し始めているのだから。

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04/10/2006

SPIRIT

 ジェット・リーことリー・リンチェイ主演による実在の人物・霍元甲(フォ・ユァンジァ)を題材にしたマーシャルアーツ映画。史実とはかなり違うらしいので、そういう目で見てはいけない。中身は往年のブルース・リーのカンフー映画と同じである。ややこしい思想もドラマもない。思いっきりストレートに、原点に返ったという感じである。『怒りの鉄拳』の主人公が入門していた精武門の創設者の話というだけあって、あの路線と思っても間違いではない。武道家は一部を除いて、アメリカ人も日本人でさえも正々堂々と闘い、相手を認めるというジャンプ路線はいっそ清々しい。ここまでストレートなの最近観られなかっただけに嬉しい。日本人格闘家・田中の中村獅童はなかなかの力演。スタントが丸わかりなのがちょっと残念。『ラストサムライ』に続いて卑劣な日本人役の原田眞人は似合いすぎ(^_^;) このままこれで定着するのか? ジェット・リーはこれが最後のマーシャルアーツ映画だと言っているようなので、そういう意味でも必見。
 なお、日本公開版は主題歌が差し替えられており、これに抗議するブログも誕生した。結果、DVDではオリジナルの主題歌が使用されることになったそうだ。まあ、昔から日本では勝手に主題歌作ったり、差し替えたりは当たり前だったからね。宣伝部もそんなたいしたことだと思っていなかったのだろう(一応、契約で海外では使えなかったと言ってるが言い訳っぽく聞こえる)。これだけネットが発達すると、オリジナルとの違いなんてすぐにわかるわけだし、もうちょっと敏感にならんといかんという教訓でしょう。

SpiritSPIRIT
音楽:梅林茂 発売:ワーナーホームビデオ

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 梅林といえば、大学時代に観た『それから』が初めてだった。その後も作品集やTV時代劇『雲霧仁左衛門』『柳生十兵衛七番勝負』などで何度か聴いたが、基本はあまり変わらないスタイルだと思う。アクション映画にはそれほど縁がないと思うが、和太鼓を動員してなかなか頑張っている。『HERO』などよりもずっと場を盛り上げる音楽だ。担当した『LOVERS』でもこの路線ではあったが、あれよりも聴き応えがあると思う。もっとも、梅林の持ち味は静かで抑揚の強くないテーマで情感や緊張感をサポートするところ。そこもいつもどおりとはいえしっかりしている。オケは中国ナショナル・シンフォニー。民族楽器やパーカッション、シンセを加えている。映画を観ていなくても、情感たっぷりな音楽や太鼓が好きなら買って聴いても損はないと思う。

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04/03/2006

SUN

SUNSOUL OF THE ULTIMATE NATION

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 頭文字を取って"SUN"という名前で話題になっていた韓国産MMORPG(FFXIみたいな多人数でやるネットRPGですな)最新作のサントラ。韓国国内での正式なサーヴィス開始にあわせてサントラが発売になった。なんでブログで取り上げる気になったかというと、『ロード・オブ・ザ・リング』のファンが少し気になるだろうから。というとわかるかもしれないが、音楽がハワード・ショアなのだった。ショアとファンタジーゲームという組み合わせは一昔前なら違和感があったろうが、もちろんLOTRのおかげでオファーが行ったのは間違いない。というわけで、かなりLOTRの影を引きずっている音楽になっている。熱いコーラス、唸る太鼓に高らかなホーンセクション。デジャヴが何度も起こるほど。しかし、最大の違いは、オーケストレイションの厚み。こちらの方が薄いというよりも、LOTRが分厚すぎなのだが、ゲーム――特にRPGでは同じ音楽を何度も聴かなければならないため、あまりくどいと疲れるということがある。恐らく、それを考えたのだろう。といっても、実際のゲームをプレイできないので、このアルバムに収録された音楽がゲーム中に流れるのか、それとも挿入されるムービーに使われるのかわからない。LOTRを聴くと体力を消耗するという人にはこれくらいが心地よいかも。さらに、数個所で使われるテルミンが妙な効果を上げている。ショアとテルミンというと、ティム・バートンの『エド・ウッド』だが、それとも違う。全体的にはLOTRほど緻密ではないが、幾つかのモチーフを展開させるオーソドックスな手法である。オケはロシア・ナショナル・フィルとコーラス、それにソリストが2曲で、他にテルミン、尺八、オルガンが使われている。コーラスは恐らくハングル。
 リリースは韓国のSONY/BMGなのだが、曲名やクレジット、ショアのプロフなどは英語。しかし、ゲーム紹介や曲の解説などはハングルなので読めなかった。全部英語かハングルにしてくれ。生煮えだ。

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03/30/2006

トゥームストーン

Tombstoneトゥームストーン

レーベル:INTRADA

 昨年他界したジョージ・P・コスマトス監督による1993年公開の西部劇。そのサントラ完全版がリリースされた。
 映画は『OK牧場の決闘』と後日譚である『墓石と決闘』を一本にしたと説明すればわかりやすいか。同時期にケヴィン・コスナー監督・主演『ワイアット・アープ』があったため、ネームヴァリューと宣伝で興行的には負けてしまったが、コスナーの勘違いオレ様映画よりは遙かに映画としておもしろいと思う。アープを演じたカート・ラッセル、ドク・ホリディを演じたヴァル・キルマーの代表作といってもよい。
 そして、音楽を担当したブルース・ブロートンにとっても代表作である。当初、音楽はコスマトス監督とは『カサンドラクロス』『ランボー2』『リヴァイアサン』で組んでいた故ジェリー・ゴールドスミスが担当するはずだったが、スケジュールの都合がつかず、ゴールドスミスが推薦したブロートンに交代した。西部劇でありがちなギターとハーモニカではなく、フルオーケストラによる堂々としたスコア。とにかく骨太かつロマンティック。メインテーマと愛のテーマ(アープの仲間や家族)のふたつをモチーフにしてアレンジし、展開していくというオーソドックスな、しかし、最近ではほとんど見られなくなってしまった手法である。しかも、このメインテーマがなかなか完全な形で流れない。愛のテーマのワルツで始まるエンドクレジットでようやく聴けるが、このカタルシスは他ではなかなか味わえない。決闘シーンの緊張感もいいし、アクションシーンのソリッドな音色も素晴らしい。ブロートンの手兵シンフォニア・オブ・ロンドンの演奏も文句なし。燃えるスコアとしても逸品。
 なお、このサントラには映画のオープニングに流れるCINERGI PICTURESのロゴミュージックが収録されており、これはジェリー・ゴールドスミスの作曲である。さらにボーナスCDにはヴァージョン違い5曲と、劇中の芝居小屋で流れる環境音楽7曲が収録されている。

 しかし、この映画はDVDが現在廃盤。出ないものか。

Silveradoシルバラード

レーベル:INTRADA

 コスナーが映画で成功するきっかけにもなったのが、こちら。音楽も同じくブルース・ブロートンで、出世作。ファンの間ではこちらの方が人気があるが、やはりまだ荒削り。このサントラは昨年リリースされた2枚組完全版。ボブ・ピークの映画ポスターを使ったジャケットが嬉しい。

 両方とも限定版ではないが、AMAZONなどでは扱っていないので、レーベル直販かサントラ専門店でどうぞ。

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03/25/2006

ゴーストバスターズ

 これまで映画音楽についてはサントラ館に重点を置き、あまりブログに書いてこなかったが、考えてみればあまり興味のない人にも見てもらった方がいいんじゃないかという気もするので、特に良い物、おもしろい物を紹介していくことにします。
 で、最初はリリースされたばかりの、これ。

GHOSTBUSTゴーストバスターズ

レーベル:VARESE SARABANDE

 マシュマロマンで有名な1984年の大ヒット作のサントラがようやくリリースされた。公開当時にリリースされたLPは(今手に入るCDもボーナストラックがあるが)ほとんど歌物で、メインテーマとヒロインのテーマなど3曲しかスコアは収録されていなかったのだ。音楽担当は『荒野の7人』などが有名な故エルマー・バーンステイン。今回のCDはスコアのみ70分弱の大盤振舞。レイ・パーカーJr.の主題歌ばかりがクローズアップされたが、メインテーマも印象に残る。このメインテーマとヒロインのテーマを二本の柱にしたスコアで、それぞれをアレンジして表現するスタイル。コメディ作品の担当も多いバーンステインらしく、軽快な曲が多い。ホラーっぽい曲はあまり印象に残らないが、ゴーストを表現するために使われる電子楽器オンド・マルトノ(形式はまったく違うが音色はテルミンに似ている)の微妙な音色がいい効果を生んでいる。さらにエレキギターや電子ドラムなど自在に使っており、改めて巨匠の柔軟さに感心する。音質も信じられないほどクリア。
 なお、このCDはVARESE CD CLUBと銘打ち、年に4回、枚数限定でリリースされるもの。過去には『ダイ・ハード』『コマンドー』など初めてサントラがリリースされる作品が数多くあり、毎回楽しみなシリーズ。当然、限定枚数がなくなると消滅する。一般販売はされないのでレーベル直販か、サントラ専門店でどうぞ。

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01/22/2006

50年代SF映画の音楽

MMM 自主製作に近いマイナーレーベルで、MONSTROUS MOVIE MUSICというのがある。サントラの存在しない50年代のアメリカモンスター映画の音楽を当時の雰囲気に近い形で録音してCDとしてリリースするレーベルだ。これまでに3枚のCDをリリースしている。

"MONSTROUS MOVIE MUSIC"――目玉は『放射能X』である。他に『イット・ケイム・フロム・アウター・スペース』『水爆と深海の怪物』"MOLE PEOPLE"を収録。
"MORE MONSTROUS MOVIE MUSIC"――目玉は『原子怪獣現る』だが、『怪獣ゴルゴ』『世紀の怪物/タランチュラの襲撃』"THE MONOLITH MONSTERS"を収録。
"CREATURE FROM THE BLACK LAGOON"――タイトルそのまま『大アマゾンの半魚人』と『恐怖のワニ人間』を収録。

 そして、ようやく新譜が2枚同時発売された。

"MIGHTY JOE YOUNG"――ハリーハウゼンのデビュー作『猿人ジョー・ヤング』『金星怪獣イーマの襲撃』『動物の世界』
"THIS ISLAND EARTH"――『宇宙水爆戦』『トリフィドの日』をメインに『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』"WAR OF THE SATELLITES"
 オーケストラは最初のふたつはクラコワ放送響、その後はスロヴァキア放送響。指揮は日本人のMASATOSHI MITSUMOTO。あくまでも当時の再現なので、今のシャープな音ではない。それがいい雰囲気。それでいてステレオで豊かな響き。しかも、『猿人ジョー・ヤング』では1曲だけだがハリーハウゼンがシンバルを演奏している! マイナーな作曲家ばかりかと思われようが、ヘンリー・マンシーニやロン・グッドウィンも名を連ねている。決してキワモノではないのだ。
 残念ながらサントラ専門店かレーベル直販でしか買えないが、こういうレーベルは応援したいので紹介してみた。でも、これで有名な作品はほぼ出たのかなぁ?

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01/07/2006

東宝戦記映画のサントラ

tohosenki男たちの戦記―東宝戦記映画音楽集
発売:東宝ミュージック

 普通ならサントラはサイトで紹介するのだが、これはサントラファンだけじゃなく、戦争映画が好きな人や架空戦記作家さんに向けて紹介した方が良いと思うので、ブログに書いておく。東宝の戦争映画15作品からピックアップした作品集だ。個人的に愛着はないが、故佐藤勝氏の作品が多いので買わねばならない。収録作は以下の通り。

日本海大海戦 (佐藤勝)
青島要塞爆撃命令 (松井八郎)
連合艦隊(服部克久)
激動の昭和史 軍閥(眞鍋理一郎)
連合艦隊司令長官 山本五十六(佐藤勝)
ハワイミッドウェイ大海空戦 大平洋の嵐 (團伊玖磨)
零戦燃ゆ(伊部晴美)
大空のサムライ(津島利章)
ゼロファイター 大空戦(佐藤勝)
大平洋奇跡の作戦 キスカ(團伊玖磨)
海軍特別年少兵(佐藤勝)
大平洋の翼 (團伊玖磨)
激動の昭和史 沖縄決戦(佐藤勝)
潜水艦イ-57降伏せず(團伊玖磨)
日本のいちばん長い日(佐藤勝)

 各作品5~11曲を収録し、合計150分以上。古い映画が多いのでモノラルが半分くらい。音質には問題なし。ジャケットイラストは小松崎茂である。

 一般のCDショップでは扱っていないので、東宝の直販サイト(TOHO MUSIC)かサントラ専門店(ARK SQUAREなど)でお求め下さい。

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07/22/2005

カプリコン・1

CAPRICORN1カプリコン・1

 この日記ではサントラのことには触れないことにしているのだが、これだけはどうしても書いておかなければならない。サントラの世界に足を踏み込むきっかけになった1枚だからだ。
 まず、映画について書いておこう。
 1977年製作で英米合作(イギリスはITC)。監督はピーター・ハイアムズ。主演はエリオット・グールドとジェームズ・ブローリン。他にO.J.シンプソン(殺人容疑のかかったあの人ね)、ブレンダ・バッカロ、テリー・サバラス、カレン・ブラックなど。IMDBでは1978年製作になっているが、日本では1977年暮れ公開の正月映画だった。アメリカでは1978年6月公開。つまり、日本ではかの『スター・ウォーズ』の半年前、アメリカでは1年後という公開時期のズレがあり、それもあって人気や知名度、評価に大きな差がある。40歳前後のSF/アクション映画ファン、サントラファンにはこの作品のせいで足を踏み外した人が多いと思われる。
 物語は人類初の有人火星探査ロケットの打ち上げから始まる。ブローリンはキャプテンである。しかし、打ち上げカウントダウンに入ってから、いきなりクルー全員が内密にロケットから連れ出される。無人のまま打ち上げられるロケット。連れてこられたのは砂漠にある施設。実は回収カプセルに問題が見つかり、このままでは帰還時にクルーは死ぬことが判明。しかし、宇宙開発予算が縮小しているNASAの命運をかけた一大プロジェクトに失敗するわけにはいかない。そこで、ここから芝居をして欲しいとNASAの上司が言う。反対するクルーだが、妻や子供をたてに脅され、宇宙船から通信する芝居をする。一方、友人であるNASAの職員と呑んでいた新聞記者グールドは宇宙船からの通信の発信源がおかしいのに上司が取り合わないという話を聞き、調べ始めるが、訪ねていった職員の家には他人が住んでおり、自分も命を狙われる。
 と、まあ、こんな感じ。さすがに今見ると全体のテンポはゆったりしているが、サスペンス演出などはキレがあり、ハイアムズの最高傑作だと思う。俳優もそれぞれの持ち味を生かしており、サバラスとグールドのやりとりもいい。ラストシーンなんか最高。今はこういうラストってないもんな。どれも説明しすぎてくどい。
 しかし、今作で一番の衝撃はジェリー・ゴールドスミスが担当した音楽だった。
 当時中学1年、劇場を出た私の頭の中はメインテーマが力強く繰り返されていた。すでに『スター・ウォーズ』のサントラも聴いていたが、そんなものが吹っ飛ぶほどのインパクトがあった。それほど強烈――子供心にカッコイイ音楽だったのだ。モチーフはわずか2つしかない。メインテーマと愛のテーマ。それだけですべてを説明し、作品に統一感と緊張感を生み出し、的確にサポートしている。昨今の幾つテーマがあるんだという鳴らしすぎの音楽とは対極をなす映画音楽の理想型のひとつといってよい。
 公開時のLPなど従来出ていたサントラは実はアルバム用に再録音されたもの(ORIGINAL SOUNDTRACKではなく、ORIGINAL SCOREと呼ばれる)で、実際に映画で使用されたものではなかった。これには再使用料というものがかかわっている。アメリカでは映画音楽は映画のみに使用するものという契約になっており、サントラ盤など映画以外に使用する場合は別料金が必要になる。それが当時は高額だったため、サントラ盤をリリースするのが難しかったのだ。そこでイギリスで録音し直して(再使用料が適用されるのはアメリカ国内の演奏家のみ)、それをサントラとしてリリースするということが、当時は多く行われていた(現在は再使用料がもっと低くなったので、アメリカ録音のサントラのリリースもやりやすくなっている)。ちなみに再録音はナショナル・フィルだったので、演奏としてのレベルは再録音盤の方が明らかに上である。しかし、上品すぎて作品の荒々しさや緊張感はあまり再現されていなかった。今回のサントラは完全収録で、スコア盤では編集されていた曲も完全な形で収録されている。
 28年ぶりに蘇る傑作。しかも、ジェリー・ゴールドスミス1周忌。DVDも廉価版が出ているし、是非とも観て、聴いていただきたい。

発売元のINTRADAはこちら。3000枚限定なのでお早めに。

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