« 16年目 | Main | 小説っていうのは »

01/21/2007

蔵人

蔵人(クロード) 1巻
著:尾瀬あきら 刊:小学館

amazon

 すでに15年以上前に完結した『夏子の酒』で有名な漫画家による新しい酒の物語。主人公はアメリカ人ということで、日本酒を愛する部外者から見た日本人と日本酒の関係というのが新しい視点。これはすでにジョン・ゴントナーの著作にも語られているし、本書のモデルはどう見てもゴントナーだ。さらにヒロインが酒蔵ではなく居酒屋の娘ということで、売る側からも日本酒を語るという二重構造。本書で語られるどちらの問題も過去から現在まで進行形だけに根は深い。本書でも触れられているが、大衆居酒屋で日本酒を飲まない客は日本酒が嫌いなわけではなく、日本酒を嫌いにさせられたからであり、その張本人が造り酒屋と酒販店と居酒屋という本来普及に努めなければいけない側というのが問題。つまり、大量アル添酒や三造酒を、いい加減な品質管理で変質したまま売り、飲み方や食べ物との相性も考えずに出す。まあ、その点について「わかっている」人々が増えてきているのが救いだ。おかげで近年の日本酒は高水準なものが増えてきているし、きちんとした居酒屋も増えている。それでも造り酒屋は着実に減少しているのが現状だ。昨年も天界の蔵元が廃業した。手を打つなら早い方がいい。こういうものを読んで日本酒に興味を持つ人が増ればと願う。
 1、2巻同時発売で、3巻が2月に出るので、酒を呑みながら一気読みもよし。

|

« 16年目 | Main | 小説っていうのは »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

Comments

これぞ、今の居酒屋の現状を表している本はないですよね。
読んでいてもわかりやすいし、面白いから読み込めるという点で
いろんな人に読んで欲しい本ですね。

Posted by: まき子 | 01/22/2007 15:28

はい、とっても参考になってます!
クロードはやはり、ジョンさんですか~。
私もひょっとして。。。と、生ジョンさんを見て思いました。

Posted by: るみるみ | 01/23/2007 00:55

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 蔵人:

« 16年目 | Main | 小説っていうのは »