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01/31/2007

2001年宇宙の旅

20012001年宇宙の旅

@TOWER

 言わずと知れたスタンリー・クーブリック監督の名作といえば、『ツァラトゥストラはかく語りき』や『美しき青きドナウ』などのクラシックを上手く使った作品としても有名である。が、これはサントラではない。サントラになるはずだったスコアを収録したアルバムだ。
 元々、クーブリックは『スパルタカス』で組んだアレックス・ノースにオリジナル音楽を書いてもらうつもりで、クラシック音楽をテンプトラック(作曲家に監督がイメージする音楽の印象を伝えるために既製曲を映像にあわせてつけたもの)にしていたというのはサントラファンには有名な話。クーブリックは可能な限りテンプトラックに近くという指示をしたようだ。おかげでできあがったこのスコアは元にかなり近い物になっている。しかし、逆にその努力が災いして「それならテンプトラックをそのまま使えばいいや」とばかり、キューブリックはノースに一言の相談もなしにテンプトラックを映画に使用した。それが公開された映画だ。ノースは途中までしか仕事をしなかったことになるのに映画が完成したことをいぶかりつつ、試写で完成直前の映画を観て仰天したという。そりゃそうだろう。
 というわけで、これがその当時、ノースが録音したオリジナルスコア。長年所在がわからなかったが、オリジナルテープが発見され、ついにリリースの運びとなった。
 詳細なライナーノートには当時の様子が記されている。それによると、当初クーブリックはカール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』を流しながらアーサー・C・クラークと一緒に脚本を書いており、当時71歳のオルフに依頼したらしい(ちなみにオルフは1982年に亡くなっている。作風や題材からもっと前の作曲家というイメージがあるが、20世紀の作曲家だ)。もう年だし、そんな仕事はできんと断られると、クラシックにこだわりがあったクーブリックはフランク・コーデルにマーラーの3番を映画用に録音してくれと頼んだらしい。当初からこういう状態だったのだから、ノースに依頼した段階で結果は見えていたということか。このCDを聴いていると、ノースの苦闘の後が偲ばれる。極めつけは楽譜の写真だ。曲名を書いたその下に、「スタンリーはこの曲を嫌っているが、私は好きなんだ!」 実際、ここにあるオリジナル曲を流した『2001年宇宙の旅』を見てみたいものだ。

2001jgALEX NORTH'S 2001

@TOWER

 実はこのスコアには再録音盤もある。当時はまだ上記のオリジナル音源の存在がわからなかったので、ノースの盟友でもあった故ジェリー・ゴールドスミスがナショナル・フィルを指揮して録音したものだ。演奏も音も最高だが、ノースがすでに亡くなっていたために確認が取れず、ノースが担当した別の映画のスコアが混じっていたことが録音後に判明している。このCDでは11曲目で、映画の後半で使われると考えられていた。しかし、実際には後半は作曲自体していなかった。オリジナルが発見されたとはいえ、最新の録音なのでダントツに音がよいので価値が下がるわけではない。なんといっても、ゴールドスミス&ナショナル・フィルだし。

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