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12/25/2006

闘う純米酒

闘う純米酒――神亀ひこ孫物語

著:上野敏彦 刊:平凡社

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 酒飲みなら知らないはずのない銘柄・埼玉蓮田の神亀の蔵元は20年前に全量純米で造る決意をした。アル添・三造酒が常識だった当時からすれば無謀な決定だったが、戦いは実は今も続いている。当時から今に至るまでの蔵元の戦いと、それによって周囲に生じた変化や困難について取材した本。早く言えば、以前紹介した『愛と情熱で蔵元を語る』(著:山同敦子)の神亀版というところだ。蔵元の人となりや、日本酒と各地の蔵元の現状、ひとりの頑固者が日本酒業界に風穴を開けた(開けつつある)状況がわかる。なかなか読み応えのある一冊。ただ、文章は読みやすいのだが、連載だったのかと思うほど同じことを繰り返す個所が多く、その点が引っかかった。
 なお、AMAZONの写真ではわかりにくいが、太田和彦氏によるデザインは神亀のロゴを使ったシンプルで美しく、それでいて押しつけがましさのないものである。地の色は三年古酒の色、ロゴの色は水と風か。

 今年の酒税法改正によって三造酒は清酒を名乗れないようになったとはいえ、周知されていない。純米酒を基本としてその他の清酒との差別化を図ってもらいたいものだ。個人的にはアル添も条件付でありという立場だが、自分で買うのは純米酒だけ。ありとする理由は差別化と多様性だ。そして、安酒しか飲めない立場への配慮も残しておきたい。しかし、合成清酒だけはとっとと消えてもらいたいものだ。

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