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11/11/2006

コナン

黒い海岸の女王
新訂版コナン全集1

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 コナンといったら未来少年でも名探偵でもない。蛮人コナンである! という人がどれくらいいるのかはわからないが、そのひとりとして紹介しなければならない――のだが、先月発刊されてから紹介が遅くなったのは、上にも見えている表紙のせいだ。誤解しないように言っておくと、イラストレーターの後藤啓介の絵は嫌いではない。加藤・後藤と呼ばれていた頃から独特の絵柄に惹かれる物を感じていた。しかし、これはあまりにもイメージが違う。コナンがこんなにふくよかだとはとうてい思えないし、色合いもこうではない。先日亡くなったベイジル・ポルデュリスが音楽を担当し、現カリフォルニア州知事が主演していた映画『コナン・ザ・グレート』はコナン物を書いていたL・スプレイグ・ディ・キャンプが監修していたため、世界観は原作のイメージに近かった。あの映画やフランク・フラゼッタなど数々の有名イラストレーターの描くコナンとは、今回の文庫イラストはあまりに違いすぎる。それでも、今読めるコナンはこれだけなのだ。しかも、初めて原作者ロバート・E・ハワードが書いたものだけをまとめた全集なのだ。紹介しないわけには、やはりいかない。
 さて、これまで刊行されていた創元推理文庫版と早川書房版との違いについては、東京創元社の解説ページに詳しい。簡単に言えば、完成原稿はそのままに、未完の草稿や資料は後生の作家が完成させた小説ではなく、そのままの形で資料として収録する、ということだ。解説ページや文庫解説を読めば、これまでいかに原点と違う物を読んでいたかと驚かされる。その元凶が映画監修もつとめたディ・キャンプなわけだが(^_^;)
 資料編でおもしろいのは、未完の草稿。シノプシスとかプロットととか言われるものがそのまま掲載されている。これを元に別の作家が書き上げたものが、これまでの作品集に収録されているわけなので、両方目を通せば作家性の違いなどもわかるかもしれない。

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