« ようやっと | Main | 増えたり減ったり »

08/23/2006

スーパーマン・リターンズ

 1979年のリチャード・ドナー監督による『スーパーマン』の正当続編。ということなので、主役はクリストファー・リーヴに雰囲気そっくりで、レックス・ルーサー役のケヴィン・スペイシーは前作のジーン・ハックマンそっくりになっている。しかし、ロイス・レーンは前作より美人に改良された(^_^;) 音楽もジョン・ウィリアムズのメインテーマや幾つかのモチーフをそのまま引き継いで、新たに書き下ろしているが、古い部分ばかり耳に残り、新しい部分が弱いのが難点。
 以下、ネタバレっぽい部分もあるので、隠す。

 観た人によって1作目の続きなのか、『冒険編』の続きなのかで意見が分かれているが、これは1作目の続きだ。『冒険編』はなかったことになっていると考えた方がいい。しかし、スーパーマンがいなくなっていた5年間とその前に色々なことがあったらしく、そこの点で説明をまったくしていないのだからややこしい。これは監督のミスだろう。不親切きわまりない。観客にとっては16年、その間に4作目まで作られているのだから、きちんと描写すべきだ。例えば本作ではルーサーは孤独の要塞に初めて行ったようだが、言葉を濁しているので、どうとでも読み取れる。初めてだと答えて2作目以下を完全に否定すべきだ。しかし、そうなると要塞の場所をなぜ知ったのかという疑問が生じるが、それも説明していない。まあ、前作でもルーサーはスーパーマンの弱点についてひらめきだけで当てたようなところがあったけど。
 それ以上に問題なのはロイスが書き、ピューリッツァ賞受賞した記事『なぜスーパーマンは必要ないのか』だ。5年の間に色々あって考えたのだろう。しかし、内容には全くふれないし、主張もしない。そして、世間はといえば、スーパーマンの帰還を大歓迎で、劇中では誰も不要論を口にする人はいない(ルーサーだけ)。賞までもらった記事に実態がないばかりか、何の後ろ盾もないのだ。ロイスは怒りと歓迎の狭間で揺れるだけで、最後に『なぜスーパーマンは必要なのか』という記事を書こうとするが、涙を流して書けない。結局、スーパーマン不要論というのは捨てられた自分の気持ちを整理するための個人的な論理でしかないようにしか思えないのだ。ドラマに何も寄与していないのなら、あの記事こそ不要だろう。
 もうひとつ。特にルーサーにユーモアがない。ただの悪党になってしまった。前作を引き継ぐなら、あの余裕とユーモアも加えて欲しかった。あと、情婦がまったく前作と同じ扱いなのはどうなんだか。
 あ、もひとつ。クリストファー・リーヴがあれだけ鍛えて作った胸筋に比べて、ブランドン・ラウスは貧弱。おまけにSマークが一回り小さいので、不格好だ。ブーツも上げ底だし。スチール見た時から感じてはいたが、動くとよくなるかと期待したのだが……。

 総じて、アメリカでヒットにならなかった(2億ドル超の製作費を回収できず)のはアメリカの良心ではないかと感じる。前作はアメリカだけで製作費の倍以上、全世界では6倍近い大ヒットだったのだから。ま、特撮の迫力はあったけどね。

|

« ようやっと | Main | 増えたり減ったり »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference スーパーマン・リターンズ:

» Superman Returns~スーパーマン・リターンズ~ [Rustys Cinema Complex]
『Superman Returns』 「スーパーマン・リターンズ」 ? 〔About The Movie〕  誰もが知ってるヒーローが19年ぶりに帰ってきた! ? 主演はオーディションで見事に今回のスーパーマン役を手に入れた新生、ブランドン・ラウス。共演は「ブルー・クラッシュ」や「綴り字... [Read More]

Tracked on 08/25/2006 00:30

» 「スーパーマン・リターンズ」冒頭シーンは画面に釘付け [soramove]
「スーパーマン・リターンズ」★★★☆ ブランドン・ラウス 、 ケイト・ボスワース 、 ケビン・スペイシー 主演 ブライアン・シンガー 監督、2006年アメリカ バットマンにスーパーマンも帰って来て、 ざっと作品のラインナップを見ると 「××× Ⅱ」や「なん...... [Read More]

Tracked on 09/11/2006 20:51

« ようやっと | Main | 増えたり減ったり »