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06/13/2006

ハンス・ジマー訴えられる

 ハリウッドの人気映画音楽作曲家ハンス・ジマー(『ライオン・キング』『バックドラフト』etc.)が訴えられた。アカデミーのオリジナル作曲賞にノミネートされた『グラディエーター』でホルストの交響組曲『惑星』で一番有名な火星のモチーフを流用したということで、ホルスト作品を管理するホルスト財団から訴訟を起こされたのだ。サントラ発売時に苦言を呈したが、今になってようやくという感がある。その後、ジマーは『ハンニバル』や『プレッジ』でもクラシックの流用をたびたび行い、何のクレジットもないということがあった。版権が切れているとはいえ、誰が聴いてもあからさまな流用には一言あるべきじゃないのか。それがクリエーターの仁義ってもんじゃないのか。まったく、最近の盗作画家騒動と同じだが、どこからどこまでがオリジナルで、どの一線を越えると借用(パクリ)になるのかというのは微妙なラインではある。しかし、同じモチーフだと10人中8、9人が感じるほどはっきりとしたものはオリジナルとは言えないし、言うべきではないと思う。
 過去にも『スター・ウォーズ(新たなる希望)』の帝国のモチーフが同じ火星に似ているという指摘はあった。しかし、これはダダダダンダンダンというリズムが主で、他の部分はウィリアムズのオリジナルといってもいいし、このレベルであげつらっていては、ほとんどの曲が過去のどれかの曲に似ているということになってしまう。この線引きは聴く者のスタンスの差なのかもしれないが。
 で、それとは別に何が問題だって、こんなスコアをアカデミー賞オリジナル作曲賞にノミネートするような低脳なアカデミー会員である。過去にはチャイコフスキーや今回も問題になった『惑星』をそれこそほとんど同じ形で流用した『ライト・スタッフ』に賞を与えるという愚を犯している(映画とのマッチングは最高だが、それとこれとは問題が別だ)。常々言っていたことだが、会員は専門家ばかりではない。昔は一線級でも引退してろくに映画も観ないし音楽も聴かないような連中も多いと聞く。はっきり言って鑑定眼などない。本当に音楽の効果やオリジナリティで選んでいるのではなく、話題性や珍しさで選んでいるとしか思えない。候補作選定期間に大量に配布されるプロモーション用CDすら聴かずに売り払ったりしている(だからコレクター市場に流出するわけだ)。まあ、アカデミー賞自体が商業主義の権化と化しているわけで、今さらそんなことなど求めてはいけないのかもしれないが、真にハリウッドの、そして映画全体のことを考えるならば、そろそろレベルの向上を考えないといけない時期ではないか。大作映画もリメイクや続編ばかりで観客も辟易し始めているのだから。

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