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01/17/2005

日本酒の話2

KAZAHANA 前回のうちの酒という表現から説明しておこう。
 実家は近江八幡にある西勝酒造という。正確には伯父の家であり、うちは新家(しんや:分家のこと。本家は母屋:おもやと言う)なので、実家ではないのだが、父親は20年ほど前までは共同経営者として主に精米を担当しており、私は米袋の山やタンクの並ぶ蔵で遊んで育ったので、「うちの酒」という表現がしっくり来る。それはともかく、貴醸酒を造る数少ない蔵元である。貴醸酒というのは仕込みの際、前年作った純米酒を仕込み水の代わりに(全量酒の場合もあれば水も加える場合もある)加え、さらに数年寝かせて熟成させたもの。銘柄は《湖東富貴(ことぶき)オールド》。《湖東富貴》が通常の銘柄である。日本酒度で言うとマイナス45くらいで、極甘。貴腐ワインやアイスワインに紹興酒っぽい風味を加えたような感じといえばわかるだろうか。他の蔵の貴醸酒も幾つか飲んでみたが、どれも甘いだけで、口の中にべっとりと残るのがいまいち。元々、うちの酒は酸度が高いせいか、貴醸酒にしてもくどくなく、しつこく残ることがない。
 雑誌《dancyu》2001年3月号に《風花》という貴醸酒のにごり酒という珍しいものが紹介されている。全麹造りの酒なんかと一緒に、変わった造りの酒というくくりだった。《風花》は寝かせずに濁り酒として出荷したもので、これを濾過して出荷したものが《春かすみ》という銘柄。いわば、貴醸酒の新酒である。どちらも日本ではほとんどない代物。その《風花》を飲んで、真菜板の杉田さんは「甘みと酸味が炭酸と調和」と褒めておられた。ちなみにコミック《夏子の酒》で有名な尾瀬あきらさんは「もろみみたいで、見た目は恐ろしいけど、サッパリして飲めます」とのコメント。
 さて、結婚式が3月3日で、その前月発売の雑誌で紹介された。その後、新婚旅行に行く前日、熟成用の《達磨正宗》を頂いたお返しに真菜板にうかがう際、貴醸酒を持って行った。杉田さんや常連客には「まだ若いねえ」と言われてしまったが、あそこの感覚は一般よりもレベルが違うので、普通の人には適用できない(^_^;) さらに熟成させると、シロップのように粘度が上がり、さらに甘さが増す。ちょっと酒という概念からは遠ざかってしまった代物に化けてしまう。
 この貴醸酒のにごり《風花》だが、昨年は造りをしなかった。廃業するという話を聞いたのだが、今年は再開したようだ(すべて伝聞なのは数年間、帰省していないため)。で、写真にある《風花》と《春かすみ》を送ってもらった。少し味が変わったような気がするが、悪くはない。悪くはないので、ここで紹介しようと思ったわけで、決して宣伝ではない。リベートも入ってこないし。通常の貴醸酒も売っているので、気になったらサイトを見てください。完全に廃業されてしまうと哀しいし、もったいないので、できれば応援したいのです。

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Comments

 貴醸酒の新酒《春かすみ》をようやく呑んでみたのだが……。ダメだ。全然違う。甘みと酸味がまったく調和していない。にごりだとごまかされたけど、これはいい加減な造りしたな。前文撤回。人に薦められる代物ではない。却下。今残っている数年前の貴醸酒を今のうちに買い集めておくしかないか。

Posted by: SOW | 02/24/2005 00:55

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